- 2020.03.11
- ご自宅での白髪染めについて
自宅で市販の白髪染めを使うときに絶対に知っておいてほしいこと
白髪染めヘアカラー剤にはいくつか種類があり、市販されているものも数多くあります。
ドラッグストアはもちろん、今はネットで口コミを見て自分に合いそうな白髪染めを探すこともできます。
市販の白髪染め(ホームカラー)でも、ヘアカラー剤の選択を間違えずにしっかりと塗れば白髪も染まります。
ただ、自宅でご自身で白髪染めをするときには、最低限の知識だけは知っておいてほしいと思います。
最低限の知識とは、
- 自分が使う市販の白髪染めヘアカラー剤のことを知る
- 自分で白髪を染めることのリスクを知る
これを理解せずにホームカラーでの白髪染めをするべきではありません。
ホームカラーで失敗したことがある方なら、理解していることもあるかもしれませんが、もう1度確認してほしいと思います。
自分が使う市販の白髪染めヘアカラー剤のことを知らずに自宅で白髪染めはしない方がいい
市販されている白髪染めもたくさんありますが、その白髪染めヘアカラー剤のことをどこまで知っていますか?
使う白髪染め次第で仕上がりも髪へのダメージ度合いも、その後の白髪染めにも影響してくることを知っていますか?
僕は、今までたくさんの白髪染めのお客様を担当してきていますが、市販の白髪染めでご自宅で白髪を染めていたというお客様もたくさんいました。
そのお客様がたのほとんどの方が「よくわからない…」というまま、なんとなく使っていたという方ばかりです。
その結果、思い通りの仕上がりならずに美容室での白髪染めを選択するわけです。
「市販の白髪染めを使ってはいけません」という話ではありません。
使うのであれば、必ず知っておいてほしいことがあるという話です。
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市販の白髪染めで1番種類が多い(アルカリ性)酸化染毛剤のこと
CIELO(シエロ)やビゲン、ウェラトーンなどが有名でしょうか。泡タイプ、クリームタイプなど種類も豊富にあって、ドラッグストアなどでもかなり売れているみたいです。
このタイプの白髪染めは、美容室でも1番使われるヘアカラー剤なのです。
「白髪染め」といえば、この酸化染毛剤を使うのが一般的となっているくらいです。
なぜ、この白髪染めヘアカラー剤が市販でも多く販売され、人気があるのかというと、それは「白髪染めの仕上がり」が関係しています。
この白髪染めヘアカラー剤のことをもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を読むことで美容師並みに理解できるはずです。
このシエロやビゲンといった酸化染毛剤の白髪染めの特徴
- 白髪も黒髪も同時に染めることができる
- 黒〜明るい茶色など色味も幅広い
- 色持ちが良い(明るさにもよる)
白髪が生えて気にしている方の多くは、髪の毛全てが白髪というわけではありません。むしろ、まだまだ白髪より黒髪の方が多いという方が多いのです。
白髪の量も個人差ありますが、黒髪と白髪の両方が混在しているため、この2つの髪を同じような仕上がりに染めたいとなります。
この白髪染めは、黒髪を脱色(明るく)しながら白髪も染めていけるため、美容師でなくてもそれなりの仕上がりすることも可能です。(カラー剤を塗布する技術は別として)
また、明るい茶色でもゴールド系やアッシュ系など色も多いです。
それと、白髪染めの染料が髪内部で発色し定着するので、比較的色持ちも良いのが特徴です。
しかし、良いことばかりではありません。
ここからが理解して使ってほしいところです。
市販の白髪染めを使うときに知っておいてほしいこと
- ダメージが出やすい
- 色ムラが出やすい
- お肌へのダメージ
市販の白髪染めはダメージが出やすい
「市販の白髪染めヘアカラー剤は髪が傷みますよ」と、美容室で言われることがあるかと思います。
これは「市販のものだから傷む」とか「美容室のヘアカラー剤じゃないから傷む」というわけではありません。
市販の白髪染めも美容室で使う白髪染めも基本的には同じ構造で同じ成分です。同じように傷みます。
→『誤解が多い!実は美容室と市販の白髪染めに違いはない』
美容室の白髪染めもシエロやビゲンなどと同じアルカリ性酸化染毛剤である以上、ダメージゼロなんてことはありません。美容室で白髪染めしても髪は傷みます。
この「市販の白髪染めは髪が傷む」というのは、美容師でない一般の方が使うから傷みやすいということです。
美容室では次のことに気をつけています。
- お客様の髪質や髪の状態、白髪の量や生えている場所
- お客様の頭皮の状態
- お客様の仕上がりの希望
すごく大事なことです。
髪の状態に合わせてヘアカラー剤の強さを調節したり、根元や毛先でヘアカラー剤を分けたりして髪への負担を最小限に抑えます。
頭皮に異常があればヘアカラー剤を変えたり、頭皮を保護したり、施術方法を変えたりと別の提案をすることもできます。
仕上がりのご希望を叶えるためのベストなヘアカラー剤の選択や調合、施術方法を美容師が考え行います。
市販の白髪染めでご自身で染める場合は、このすべてをご自身で判断して行うしかないわけです。
結果として、必要以上に髪に負担が掛かってしまうことから「市販の白髪染めは傷む」と言われています。
白髪染めの塗り方で仕上がりも変わる
よくある失敗が染めムラです。それによって起こる色ムラです。
美容師でない方がご自身で染めるわけですから、ヘアカラー剤をキレイに塗布することができなくて当然です。
この色ムラも状態によっては、美容室でキレイに直すのが困難な場合も多いです。直せたとしても1度の施術でキレイに直せないことがほとんどです。
色ムラは、次のヘアカラー時にそのまま同じムラになって影響することもあるのです。
ご自身で染めるときは注意が必要です。
また、何度か自宅での白髪染めを続けていると、塗布する腕が上がってくる方もいますし、ご自身で見える染めやすい場所だけ染める方もいます。
お顔周りの生え際や分け目付近の見えるとこだけ上手く塗る。このように染める方も多いです。すると、徐々に色ムラなどは目立たなくなります。
ただ、この場合いづれは美容室で後頭部などの見えない部分を染めてもらう必要が出てきます。
その際も簡単にキレイに染めれるというわけでもありません。
ご自身で見える場所というのは、白髪が伸びてくると1番気になる場所でもあるわけです。気になる場所は、頻繁に白髪染めしたりするわけです。
すると、白髪染めの染料がどんどん重なって、明るいヘアカラー剤を使っていてもどんどん暗くなっていきます。
そして、後頭部などのそれ以外は染まっている部分と染まっていない部分と染めムラがある状態。
美容室で1度の施術で明るく白髪染めしたいと思っても、1度の施術では難しいです。
市販の白髪染めで思ったより暗くなりすぎてしまった髪を、明るくしていくのはかなり大変なことなんです…
お肌のダメージにも気をつけてください
美容室でも多く使われるアルカリ性酸化染毛剤ですが、髪と頭皮(お肌)の負担はゼロではありません。
シエロやビゲンなどの市販の白髪染めを塗ったときに刺激を感じることもあると思います。
この白髪染めのデメリットの1つが「ダメージ」なんです。
白髪がすごく気になって頻繁に自宅で白髪染めをしている方のお肌には、皮膚科のお医者さんではない美容師の僕が見てわかるくらいダメージが出ています。
頻繁に染める方で週1ペースでお顔周りを染めているという方もたくさんいました。お顔周りのお肌のダメージに気づけていません。
ダメージと聞くと恐くなってしまいますが、危険な状態というわけではないのでご自身ではわかりません。ただ、良い状態とはいえません。
酸化染毛剤に含まれるアルカリや白髪染め時の活性酸素の影響で、頻繁に染めていた部分のお肌の酸化が目立っている状態です。
目に見えるダメージは、
- 肌色が酸化により他の部分よりくすんでいる
- お肌の乾燥が目立つ
- 髪が細くなっている(少なくなっている)
ということがあります。
僕は白髪染めをする間隔は「最低3週間は空けてください」とお願いしています。特に自宅で市販の白髪染めを使って染める方は。
白髪を染めるヘアカラー剤次第では、週1ペースで染めるのも問題ないものもあります。
しかし、この最も多く使われる酸化染毛剤での白髪染めは、染まりや色持ちは良いですが、ダメージがゼロではありません。
美容室で定期的に染めていれば、このような状態になることはまずありません。
ご自宅でホームカラーを続けている場合、このような状態になってしまう方は非常に多いです。
酸化染毛剤での白髪染めで刺激を感じる方は、こちらの記事も読んで白髪染め選びや刺激対策の参考にしてください。
そこで、今度はダメージのないもので白髪染めをしようと考えるわけですが、それも最低限知っておいてほしいことがあります。
白髪染めトリートメントは万能ではありません
- 髪とお肌に負担がない
- お家で手軽に白髪染め
- トリートメントだから髪の質感UP
- 経済的
など、良いことばかりに思える白髪染めトリートメントですが、使うときはしっかりと理解した上で使うべきです。
白髪染めトリートメントを否定しているのではなく、ご自身のご希望の仕上がりになるのかよく考えてほしいという話です。
白髪染めトリートメントで染まるのは白髪だけ
正確には、黒髪も染まっているのですが、染まったと感じるのは白髪だけです。
なぜなら、白髪染めトリートメントで黒髪を明るくすることはできないからです。
黒髪を明るくできないから髪にダメージがないのです。脱色作用がないため髪と頭皮への負担がありません。
白髪でお悩みで「黒髪と白髪を明るい茶色に染めたい」という方は、これを使ってもご希望の仕上がりにはなりません。
髪色が今より暗くなってもいいから、髪と頭皮に負担がないものを使いたいという方にはお勧めできます。
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使い続けると明るく染め直すのは難しい
白髪は少し伸びてきただけでもすごく気になります。白髪染めトリートメントを使う方も頻繁に使う方が多いと思います。
3〜4日に1度は使っていないとキレイをキープするのが難しいのがカラートリートメントです。
あくまでトリートメントであり、ヘアカラー剤ではありません。
酸化染毛剤のように髪の内部で発色し定着するわけではなく、髪表面で色が染着するので色持ちは良くないのです。
シャンプーすればするほど色落ちしていきます。逆に頻繁に染めれば染めるほど、重なって色持ちは良くなります。
そして、重なると色持ちは良くなっていきますが「やっぱり明るい髪色に変えたい」が難しくなります。
実際、お客様でも多いです。
自宅で白髪染めトリートメントで白髪を染めていたけど、
- 暗くしかならない(白髪の量にもよります)
- 頻繁に使うのに疲れた
- 中の方までキレイに染まらない
- 面倒臭い
などの理由もあり、やっぱり明るく白髪染めしたいというお客様。
はっきりと申し上げて「簡単に明るくはなりません」
使う頻度も少なく、使ってきた期間も浅い場合は、さほど影響なく明るく染めれる場合もありますが、基本的には明るくしづらい状態と考えてください。
これは、髪をコーティングするように白髪が染まるカラートリートメントのデメリットでもあります。
髪は傷まないけど、その後のカラーチェンジに影響が出るということ。
トリートメント感覚で手軽に使えますが、白髪は気になるけど黒髪も多く、明るく染めたいというご希望の方は使うべきではないです。
また、酸化染毛剤(シエロやビゲン)と同じで、いつも頻繁にカラートリートメントを塗っている場所とそうでない場所で、明るく染めた時に色ムラとなって出てきます。
多くの方が、全体にしっかりと塗っているわけではなく、目に見えて気になる部分を集中的に塗っています。
これも仕方のないことではありますが、美容室で白髪染めする時に1度でご希望の仕上がりなるかどうかは、やってみないとわからない場合もあります。
僕は、白髪染めトリートメントをご自宅で使うお客様には、
- なるべく週に1回くらいの使用で、しっかりとは染めない
- なるべく伸びてきた部分だけに塗る
- 美容室で染める1週間前からは使わない
をお願いしています。美容室での白髪染めでキレイに仕上げるために影響を少なくするためです。
伸びてきた部分だけというのは難しいことなのですが、あまり広範囲に塗ってしまうと、染料が重なって美容室で染める時に染まりづらくなるためです。
本当は、美容室で染める2週間以上前から使わないようにしてほしいですが、白髪を気にしているお客様にとっての2週間というのは、ギリギリ我慢の限界と言われるので、1週間以上は空けてほしいと伝えています。
→『美容室での白髪染めと自宅での白髪染めトリートメントを併用するときに知っておいてほしい事』
市販の白髪染めは手軽に使える分、注意も必要です
市販の白髪染めを使うことが悪いわけではありませんし、市販の白髪染めが悪いわけでもありません。
むしろ、染めても染めても伸びてくる白髪に日々ストレスを抱えるくらいであれば、うまく使用してストレスを1つでも減らせる方がいいです。
それに、一般の方がヘアカラーや髪の専門知識を持っていないことも当然ですし、自宅での白髪染めで失敗してしまい美容室で染め直すことを考えるのも当然です。
ただ、手軽に使える反面、それなりのリスクもあるということを知っておいてほしいと願います。
【自宅で市販の白髪染めをする前に知っておくべき大切なポイント】
- 使う白髪染めヘアカラー剤の選択は慎重に
- 使う白髪染めヘアカラー剤で染める頻度も変える
- 染めるときは染めムラに注意
- たまには美容室で髪と頭皮の状態を見てもらう
ご自宅で白髪染めをする方には、それぞれ理由があるはずです。
ただ、ヘアカットは美容室に行く方が多いと思いますので、美容室に行った際に髪と頭皮の状態などを見てもらうようにしてください。
それと、市販の白髪染めでご自身で染め続けた場合「美容室で1度の施術でキレイにご希望通りの仕上がりにはならないこともある」ということも知っておいてください。
白髪染めヘアカラー剤を選ぶときは、そのヘアカラー剤の特性を知ってからでないと後々後悔することにも…
→『白髪染めヘアカラーの種類を全部紹介!出来ること出来ないことが必ずある』
それと、美容室と自宅の両方で白髪染めをするという方に知っておいてほしい注意点もあります。キレイな状態をキープするポイントを紹介します。
→『美容室とホームカラーでの白髪染めを併用するときの注意点』
「どうしても美容室に行くことができない」という時があるかもしれません。そんな時はまずこちらをご覧になってください。
→『美容室に行けない!自宅で白髪染めは何を使うべきか詳しく紹介』