- 2020.02.19
- 白髪染めヘアカラー剤のこと
白髪染めでアレルギーが出た方も使えるノンジアミンヘアカラー剤の特徴や仕上がりを紹介
白髪染め後に「かぶれや湿疹などの症状が出たことがある」という方のほとんどは、化学物質のジアミン(酸化染料)に反応したアレルギー症状です。
1度でもこのジアミンアレルギーが出ると、ジアミン配合のヘアカラー剤での白髪染めは2度と出来ません。
白髪は他の手段で染めていくしかありません。
その選択肢の1つとして「ノンジアミンヘアカラー剤」というものがあります。
白髪をしっかりと染めるために必要不可欠だったジアミンが一切含まれないヘアカラー剤のことです。
ジアミンアレルギーの方が、安心して白髪染めできるノンジアミンヘアカラー剤を詳しく紹介します。
アレルギーの原因や対処が知りたい方はこちら
→『白髪染めヘアカラー剤でのかぶれやアレルギーが起きる原因をどこよりもわかりやすく解説』
ノンジアミンヘアカラー剤とはどんなもの?
まず、美容室で最も多く使用される白髪染めにアルカリ性酸化染毛剤というものがあります。
これは、幅広いご要望に対応できる白髪染めヘアカラー剤なのですが、白髪をしっかりと染めるためにジアミンという化学染料が配合されています。
しかし、このジアミンはリスクとしてアレルギーを引き起こす可能性があります。
そのため、ジアミンを配合せずに白髪も染めれるヘアカラー剤として、いくつかのノンジアミンヘアカラー剤があります。
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白髪染めできるノンジアミンヘアカラー剤の種類
上に出ているヘアカラーは全て白髪も染めることが可能で、左側の5つ
- 100%植物性染料ヘナ
- ヘアマニキュア
- カラートリートメント
- 酸化染毛剤(2剤式)
- 他ノンジアミンカラー
がジアミンアレルギーの方でも白髪染めできるノンジアミンヘアカラー剤です。
ここでは、酸化染毛剤(2剤式)と他ノンジアミンカラーについて詳しく紹介していきます。
100%植物性染料ヘナ、ヘアマニキュア、カラートリートメントの3つは、美容室の現場ではノンジアミンヘアカラーとは呼んでいません。
ノンジアミンヘアカラーという名称で呼ぶことが多いのが「酸化染毛剤と他ノンジアミンカラー」となります。
美容室での施術メニューにもあるヘナとヘアマニキュアは、昔から敏感肌の方やアレルギー症状のある方の白髪染めで多く使われていました。
ただ、この2つは出来ないことやデメリットも多いのです。
- 自然派志向のヘナでの白髪染めとは?
→『植物性染料ヘナで白髪染めの特徴や仕上がりを詳しく紹介』 - 敏感肌の方でも白髪染めできるヘアマニキュアとは?
→『白髪染めで使われるヘアマニキュアとはどんなヘアカラー剤なのか?すべてを解説』
ノンジアミン酸化染毛剤(2剤式)の特徴と仕上がり
まず、美容室の現場で使われるノンジアミンタイプの酸化染毛剤にもいくつか種類がありますが、ここでは「ジアミンが含まれないアルカリ性酸化染毛剤」と考えてください。
アルカリ性酸化染毛剤とは白髪染めで最も使われるヘアカラー剤です。それと近しい作用と仕上がりにできると思ってください。
(詳しくは→『白髪染めで最も使われるアルカリ性酸化染毛剤のすべてを解説』)
まずは、白髪染めの仕上がりを見てみましょう。
ノンジアミンタイプの酸化染毛剤での白髪染め後
黒髪も明るくしながら白髪にも色が入ります。
ただ、ジアミンが配合されていないので白髪の染まり具合は薄いといえます。
それでも、ジアミンを使わずに黒髪も白髪も同時に明るく染めれるというのは、美容師としてもお客様の幅広いご要望に答えるのに大変助かります。
2剤式のノンジアミンタイプの酸化染毛剤の作用と成分
1剤と2剤の2つを混ぜることで、白髪と黒髪を同時に染めていきます。
1剤であるノンジアミン酸化染毛剤の作用と成分
【ジアミンではない酸化染料】
毛髪内部で発色・定着します。白髪に色をつけるために必要。
【アルカリ】
低アルカリで髪表面のキューティクルを開き、染料を毛髪内部に浸透させる。
また、黒髪を明るく脱色させる。
2剤である過酸化水素の作用と成分
【過酸化水素】
1剤の染料(ノンジアミン)を酸化促進させ発色させる。
1剤のアルカリと反応して活性酸素が発生し、黒髪を明るくしていく。
過酸化水素の濃度の違いが、脱色や発色に影響してくる。
【その他成分】
1剤と混ざった時の操作性を良くしたりするもの。
1剤は、白髪を染めるための染料、その染料を浸透させるためと黒髪を明るくするためのアルカリがメイン。
アルカリのph値は低く、(ジアミン配合の)アルカリ酸化染毛剤と比べるとダメージ軽減が可能。
幅広い色調が作れるジアミンと違い、色味の種類は少ない。白髪を染めようと考えると選択肢があまりないです。
2剤は、1剤の働きを助けることが目的で、過酸化水素の濃度差が仕上がりやダメージなどに影響してきます。
白髪と黒髪を同時に明るく染める仕組みはアルカリ性酸化染毛剤と同じ
詳しくは『白髪染めで最も使われるアルカリ性酸化染毛剤のすべてを解説』の【白髪と黒髪を同時に明るく染める仕組み】を参考にしてください。
髪が染まる基本的な流れは、
- 1剤と2剤を混ぜた混合液を髪に塗布
- 1剤に含まれるアルカリで髪表面のキューティクルを開く
- 黒髪のメラニン色素を分解しつつ、ノンジアミン染料が浸透
- ノンジアミン染料が髪内部で発色し定着する
ということになります。
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ノンジアミン酸化染毛剤の出来ること出来ないこと
この白髪染めヘアカラー剤は、ジアミンアレルギーの方がほぼ安心して使えるヘアカラー剤です。
同じくジアミンを含まないヘナやヘアマニキュア、カラートリートメントとは違い黒髪も明るくすることが出来ます。
しかし、アルカリ性酸化染毛剤と同じように出来ないこととデメリットもあります。
【出来ること】
- 白髪も染めれる
- 黒髪もある程度まで同時に明るく染めることができる
- ジアミンアレルギーの方にも使える
1剤に含まれるノンジアミンタイプの酸化染料で白髪を明るく染めることができます。
また、黒髪もある程度明るくは出来ます。
【出来ないこと】
- 黒髪をキレイに明るくすること
- 白髪を濃く(暗く)しっかりと染めることが出来ない
ジアミンが一切含まれないため濃い色を出すことが出来ません。くらい仕上がりには出来ないのです。
ノンジアミン酸化染毛剤のメリットデメリット
ジアミンフリー(ゼロ)ではありますが、誰でも使えるとは言い切れません。良いとこ悪いとこというものは存在します。
【メリット】
- 根元から白髪を染めることができます
- 髪の内部で発色する(とはいえ色持ちが良いとは言えない)
- カラーチェンジがしやすい
地肌についてもシャンプーで落とせるので、根元から白髪を染めることができるのがヘアマニキュアとの1番の違い。
また、他ヘアカラー剤での髪を暗くしたり明るくしたりというカラーチェンジがしやすいのも特徴。
【デメリット】
- 髪と頭皮への負担はゼロではない
- 個人差もあるが刺激はある
- 色落ちが早い
根元から染めることのできるヘアカラー剤ですが、刺激を感じることはあります。
アレルギーを引き起こす可能性があるジアミンは含まれていませんが、アルカリ配合なので少しですが刺激を感じるかと思います。
はじめてのときは、必ずヘアカラー前のパッチテストが必要です。
→『白髪染めヘアカラーをする時にいつもピリピリと刺激を感じるけど大丈夫?』
【まとめ】ノンジアミン酸化染毛剤での白髪染め
このヘアカラーがオススメの方はジアミンアレルギーがあるけど、
- 暗くはしたくない(黒髪も明るくしたい)
- 根元から白髪を染めたい
というご希望の方と、
ジアミンアレルギーはないけど、
- アレルギー発症のリスクを減らしたい
- 少しは明るくしたいけどダメージも少ないほうがいい
というご希望の方。
ノンジアミンタイプの酸化染毛剤は、ジアミンアレルギーリスクはないが、他染料にアレルギーが出ないとも言えません。
また、アルカリ配合なので黒髪も明るくは出来ますが、刺激がゼロではありません。
ジアミンアレルギーはなく1番のご希望が「黒髪も白髪もキレイに明るく染めていたい」という方には不向きです。
つぎに、ヘナでもヘアマニキュアでもないタイプの他ノンジアミンカラーでの白髪染めの紹介です。
→『白髪染めでヘアマニキュアよりオススメのノンジアミンヘアカラー剤というもの』