- 2020.02.11
- 白髪染めのこと
白髪染めヘアカラー剤でのかぶれやアレルギーが起きる原因をどこよりもわかりやすく解説
- ヘアカラーの影響によるかぶれ、湿疹
- ヘアカラーに対してのアレルギー
白髪染めやおしゃれ染め(ファッションカラー)をしていて、このような症状が出たことがあるという方もいます。
また、肌荒れやかぶれまではしないけど「ヘアカラー中にいつも刺激を感じる」という方もいます。
その逆で「何も感じない。ちょっと冷たいくらい」という方もいます。
白髪を染めることができるヘアカラー剤(染毛剤)には、いくつか種類がありますが、中には上記のような症状がでる可能性があるヘアカラー剤もあります。
なぜ、肌荒れやかぶれ、湿疹、アレルギーを引き起こしたり、刺激を感じてしまうのかを紹介します。
ここでは、
- アレルギーを引き起こす可能性がある白髪染め
- アレルギーの原因となるもの
- アレルギーの症状
- アレルギー症状が治るまで
- 対処法
- アレルギーの可能性が低い白髪染めヘアカラー剤
などを詳しく解説します。
アレルギー反応ではなく、白髪染めヘアカラーによる「ピリピリ」した刺激についてはこちらをご覧ください。
→『白髪染めヘアカラーをする時にいつもピリピリと刺激を感じるけど大丈夫?』
アレルギーや肌荒れなどを起こしたことがない方にも知っておいて欲しいです。
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白髪染めでは刺激を感じやすいヘアカラー剤が実は1番人気なんです
白髪を染める時、美容室で最も多く使用される白髪染めヘアカラー剤があります。
それは「酸化染毛剤」というもので、一般的に白髪染めというとこのヘアカラー剤を指すことが多いです。ファッションカラーもこれです。
酸化染毛剤にはアルカリ性と酸性があります。
(→アルカリ性酸化染毛剤での白髪染めとは?)
そんな最も使用されるほどの人気があるアルカリ性酸化染毛剤ですが、デメリットの1つとしてあるのが「刺激」です。
白髪染めヘアカラーの施術中、もしくは放置中に「ピリピリ」や「ヒリヒリ」などの刺激を感じることがあると思います。(感じない方もいます)
「なんかちょっと滲みているけど大丈夫かな…」と感じながら、ヘアカラー施術を受けている方は多いんじゃないでしょうか?
結論から言って、基本的には特に問題ありません。
何かと規制の厳しい日本で、問題があるようなヘアカラー剤では国の認可がおりませんので。(今のところは。今後はわかりませんが…)
とは言え「全然、問題なく大丈夫ですよ!」とはハッキリとは言えません。
そう、ハッキリ言えない理由のもう1つのデメリットが「アレルギー」です。
美容室で最も使われている一般的な白髪染めは、かぶれやアレルギーを引き起こす可能性がゼロではない
この酸化染毛剤の知っておくべきデメリットが、
- かぶれることもある
- アレルギー反応がでることもある
ということです。
白髪染めヘアカラー剤に含まれる「ジアミン」という成分に対して起こるアレルギー反応により、かぶれや湿疹などが出る可能性があります。
これをアレルギー性接触皮膚炎といいます。
1度でもこのジアミンアレルギーが出た方は、ジアミンを含む酸化染毛剤(アルカリ性・酸性どちらも)での白髪染めやおしゃれ染めは出来ません。
絶対にやってはなりません。
なんでヘアカラー剤にジアミンを入れるの?必要なわけとは
アレルギーを引き起こす可能性が少なからずあるのに、なぜ白髪染めで最もよく使われる酸化染毛剤にジアミンが使われるのかというと、
「色数豊富、染まりがよく、色持ちが良い」
白髪を染めるお客様にとって、白髪の染まり具合と色持ちは大切なことです。
現状、白髪染めにおいてこのジアミンを含む酸化染毛剤より、染まりと色持ちが良いヘアカラーはありません。
また、ジアミンを含む酸化染毛剤でもアルカリ性酸化染毛剤が最も白髪染めで使われるのですが、このヘアカラー剤でないと出来ないことがあります。
色持ちよく、黒髪も白髪も同時に明るく染めるということです。
ジアミンとは白髪染めにおいて必要であり、リスクを伴う染料
染料の一種であるジアミンはヘアカラーにおいて大切な役割があります。
- 幅広い色味を表現してくれる
- 毛髪内部で発色・定着してくれる
日本人の黒髪の色味を変えたり、白髪を赤味を抑えて染めたり、多彩な色調を作り出すことができる。
また、ヘアマニキュアやカラートリートメントなどと違い、毛髪内部で酸化結合し発色・定着してくれるので色持ちが良い。
アレルギーを引き起こす可能性があるジアミンが染料として使用されるのは、ジアミンじゃなきゃ出来ないことがあり、お客様の仕上がりへのご希望を叶えやすいからです。
とはいえ、ジアミンアレルギーは軽視できないのも事実です。
ジアミンアレルギーの症状は個人差ある
アレルギー反応で出る症状には、軽いものから重篤なものまで個人差あります。
カラー剤を塗った頭部にだけ症状が出る。頭部だけでなく顔や首回りまで出る。重篤な場合は体全体に出ることも。
はじめてジアミンアレルギーが出るときは、ヘアカラー(白髪染め)の施述中に反応が出ることは少なく、ヘアカラー後〜半日後にかゆみや赤みを感じ始めることが多いです。
アレルギーを繰り返していくと、ヘアカラー剤を塗ってすぐに症状がで始めるようになります。
また、こういった化学物質であるヘアカラー剤に対してのアレルギー反応が強い方は、ヘアカラー剤の匂いだけでもアレルギー反応が出ることもあります。
ジアミンアレルギーが出た時のかぶれや湿疹とは?
- かゆみ
- 赤み、腫れ
- 小水疱(小さい水ぶくれ)
- 丘疹(きゅうしん:小さなブツブツ)
などの皮膚炎症状が出始めます。
酸化染毛剤でのヘアカラーの繰り返しにより症状がひどくなっていくので、軽い症状だからと安易に考えて、次も酸化染毛剤で白髪染めをしてみるというのは危険です。
白髪染めで毎回かゆくなる方は注意!原因と対処法を紹介しているので、ご覧ください。
ジアミンアレルギーによる接触性皮膚炎はどのくらいで治るのか?
いつものように白髪染めをしたら、かゆみや湿疹という症状が出てきて2〜3日経っても症状が良くならない。
こんな場合は、酸化染毛剤によるジアミンアレルギーを発症した可能性が高いです。
そして、ジアミンアレルギーが出たらこのアレルギー自体が完治することはありません。
ジアミンを含むヘアカラー剤での白髪染めは2度と出来ません。
では、かゆみや湿疹などの症状はどのくらいで治るのかというと、
これは、症状にもよって違うと聞きます。
ひどくなければかゆみや湿疹などは1ヶ月くらいで引くこともあるし、ひどい場合は完治するまでに半年以上掛かったなど聞いたこともあります。
実際にジアミンアレルギーを持っているお客様から聞いたところ、長い時で完全にキレイに治るまでに8ヶ月くらい掛ったそうです。
このお客様は、60代後半の女性の方でヘアカラーによるジアミンアレルギーを数回起こしてきたそうで、やはり最初に発症した時より最後のアレルギー反応が出た時が症状も1番ひどく、治るまで時間が掛ったそうです。
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ジアミンアレルギーが出たらどう対処するのか?
ジアミンアレルギーが出るパターンは2つ。
- 美容室での白髪染めの施述中(ヘアカラー剤を塗布し始めて数分)
- 美容室で白髪染めをしてから48時間以内
「即時型」と「遅延型」となります。
もし、ヘアカラー後に強いかゆみなどを感じ、それが続く時などは自力で治そうとせずにすぐに皮膚科を受診してください。
できれば、皮膚科にいく前にヘアカラーをした美容室に連絡を入れ、使用したヘアカラー剤の詳細を確認するのと、現状を説明して病院にいくことを伝えてください。
流れとしては、
- ヘアカラーによるかゆみなどが続く
- 美容室に連絡し施述内容(ヘアカラー剤の種類/酸化染毛剤)の確認
- 皮膚科を受診(治療費の領収書と診断書を必ずもらう)
- 診察結果を美容室に連絡
となります。
まずは、症状がひどくなる前に皮膚科を受診し、ジアミンアレルギーかどうかを調べます。
その際、治療費の領収書と診断書は忘れずにもらうようにしてください。
ヘアカラーをした美容室で治療費など補償してくれると思います。
こういった美容室での事故は、美容室側で加入している損害保険で補償できる場合が多いです。ただし、損害保険に加入していない美容室もあるので、確認が必要とはなりますが…
また、ジアミンアレルギーであることが判明した場合は、以降白髪染めをするときにジアミンを含むヘアカラー剤(ほとんどの酸化染毛剤)は使用できないため、白髪を染めるときは美容室での相談が必要となります。
【注意!!】「酸化染毛剤でも地肌に着けなければ白髪染めしても平気」は絶対にダメ
根元からヘアカラー剤を塗布しなければ大丈夫。地肌に着かなければ平気。
なんてことはありません。
ジアミンアレルギーが出た方を白髪染めするときは、
- ジアミンを一切含まないヘアカラー剤を使用
- 専用のカップでカラー剤の調合
- 専用のハケでカラー塗布
- 専用の手袋をして施術
- 専用のシャンプークロス(シャンプーするときに首〜肩に着けるもの)
- 専用のタオル
など、酸化染毛剤に触れているモノは一切使うべきではありません。全て専用で用意する必要があります。
これくらい注意を払わないとアレルギー症状が出てしまう恐れがあるのです。
それなので「地肌に着かなければ平気」ということは絶対にないので注意してください。地肌に着かないように塗布するテクニックがあってもダメです。(シャンプー時に着く危険性が高いので)
ジアミンアレルギーでも白髪染めを諦めなくても大丈夫です。
酸化染毛剤によるジアミンアレルギーが発症したから、もう2度と白髪染めが出来ないというわけではありません。
ジアミンを含まないヘアカラー剤での白髪染めは可能です。
選択肢はいくつかあります。
アレルギーを引き起こす可能性が低い白髪染めの種類
選択肢としては、
- 100%植物性染料での白髪染め
- ヘアマニキュアでの白髪染め
- ヘアカラートリートメントでの白髪染め
- ノンジアミンヘアカラーでの白髪染め
この4つとなります。どれもジアミンを含まないヘアカラー剤です。
1,100%植物性染料で白髪染めをする
ヘナ100%。もしくは、ヘナと他植物(インディゴなど)100%の染料での白髪染めです。
ヘナといっても100%植物性でなくては白髪染めできません。ヘナの中には、ジアミンを含む混合ヘナもあるので注意が必要です。
髪と頭皮に負担はなく白髪を染めることはできますが、デメリットもあるので美容室で確認しましょう。
(→ヘナでの白髪染め)
2,ヘアマニキュアでの白髪染め
酸化染毛剤と同じ化学染料ではありますが、ジアミンを含まないので安心して白髪染めをすることができます。
髪と頭皮に負担はないものの、地肌に着けれないため根元からしっかり白髪を染めることはできません。
ヘアマニキュアでの白髪染めはデメリットもあります。
(→ヘアマニキュアでの白髪染め)
3,ヘアカラートリートメントでの白髪染め
自宅でシャンプーする前に使えるカラートリートメント。天然成分由来のものも多く、ジアミンによるアレルギーの心配はありません。
特別なテクニックなども必要なく、自宅で白髪染めを出来るカラートリートメントにもデメリットはあります。
(→カラートリートメントでの白髪染め)
4,ノンジアミンヘアカラーでの白髪染め
植物性でもなく、ヘアマニキュアやカラートリートメントとも違う特性を持ったヘアカラー剤です。
アルカリ性酸化染毛剤と比較的同じように白髪も染めることができるのがノンジアミンヘアカラー剤です。
画期的なヘアカラー剤だと思います。
ジアミンアレルギーの方にオススメできるヘアカラー剤ではありますが、やはりデメリットも存在します。
(→ノンジアミンヘアカラー剤での白髪染め)
白髪染めでかぶれや湿疹、アレルギーが出たら担当美容師としっかりと相談してください。
危険性がゼロではないとわかっていても、多くの美容メーカーがこのジアミンを使ったヘアカラー剤を1番作っています。
また、美容師もお客様の希望を叶えようと仕上がりを重視して、酸化染毛剤を使用することが多いです。
とはいえ、ジアミンアレルギーが出た場合、2度とジアミンを含む酸化染毛剤を使うことは出来ません。
ジアミンを含まないヘアカラー剤、白髪を染める施術の仕方、今後どのようにして白髪染めをしていくのがベストなのか?
まずは、担当美容師と相談してください。
ただ、僕が1番と思う選択肢は、
- ジアミンを含む酸化染毛剤を一切置かない美容室
- 化学薬品を使用しないオーガニックサロン
このような美容室で白髪染めだけお願いする方が間違いないと思います。
ジアミンアレルギーの症状は人それぞれですが、美容室においてあるパーマ液やヘアカラー剤の匂い自体で反応してしまう方もいますし、ジアミンを含む酸化染毛剤もノンジアミンヘアカラーも両方取り扱っている場合、きちんと管理されていないとアレルギーを起こしてしまう可能性があります。
僕の美容室でも一応、両方のヘアカラー剤を用意して管理していますが、ジアミンを含む酸化染毛剤を最も多く使用していますので、100%リスクゼロとも言い切れないわけです。
「1ミリの不安要素もない」とは、残念ながら言えません。
大切なお客様に万が一、アレルギー症状が出てしまったら、1番大変な思いをしてしまうのはお客様です。
1番安心なのは、ノンジアミンヘアカラーや植物性染料だけを取り扱う美容室で白髪染めをすることだと思っています。
これが1番リスクが低いと考えられます。
ジアミンアレルギーが出てしまったら、2度とアレルギーを起こさないように白髪染めをしていくことが1番大切です。
それなので、まずは担当美容師さんとしっかりと相談してください。
また、誰しも起こりうるジアミンアレルギーがどのくらいの確率で起きるのかは、正確なことはわかりませんが、起きる原因や高い可能性として考えられることはあります。
→『白髪染めで発症する可能性があるジアミンアレルギーはどのくらいの確率でなるのか?』