- 2020.02.19
- 白髪染めヘアカラー剤のこと
植物性染料ヘナで白髪染めの特徴や仕上がりを詳しく紹介
白髪を染めようと考えた時に「ヘナはどうなのかな?」と思うことがあるでしょう。そして、ヘナのことを色々と調べて
- 「ヘナは髪にも肌にも優しいんだ」
- 「トリートメント効果もあるんだ」
- 「植物性だから安心」
- 「白髪が染めれる」
と思う方は多いです。確かに良いことは多いですが、白髪染めで使うにはヘナという植物性染料の特徴を知っておく必要があります。
これを知らずにヘナでの白髪染めはオススメできません。
そんな植物性染料ヘナでの白髪染めは、
- どのような方にオススメで、どのような仕上がりになるのか?
- 白髪が染まる仕組み
- 何が出来て、何が出来ないのか?
- どのようなメリット、デメリットがあるのか?
どこよりも詳しく解説します。
この記事を読むことで、白髪染めカラー剤を選ぶときや美容室選びの参考になるはずです。
ただ、白髪染めに求めることが「黒髪も白髪も両方明るく染めたい!」という方は、ヘナでの白髪染めは向いていないです。
はじめに伝えておきます。
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自然派志向の植物性染料ヘナでの白髪染めのすべてを紹介
まず、ヘナといっても
- ヘナ100%の植物性染料
- 他植物配合の100%植物性染料ヘナ
- 化学染料(ジアミン)配合の混合ヘナ
と3種類があります。一般的には、どのタイプでも総称して「ヘナ」と呼ばれています。
そのため、白髪染めでヘナを使用するときは、ヘナでもどのタイプになるのか確認が必要です。(理由は後述します)
ここでは、他植物配合の100%植物性染料ヘナを解説していきます。
(他植物とは…ナンバンアイという植物から抽出されたインディゴ(藍色)染料や、その他の染料として用いられる植物のことです)
ヘナでの白髪染めには、100%ヘナよりも「他植物配合の100%植物性染料ヘナ」が使われることが多いです。
ヘナでの白髪染めがオススメの方
まず、この植物性染料ヘナでの白髪染めが、どのようなご希望をお持ちの方にオススメなのかが重要となります。
1番の希望が「髪と頭皮に優しく白髪を染めたい」という方にオススメ
明るさや色味などの白髪染めでの仕上がり(見た目)よりも、とにかく髪と頭皮に一切負担をかけずに白髪を染めたいという方にとって、1つの選択肢となるのがヘナです。
また、アルカリ性酸化染毛剤での白髪染めでジアミンアレルギーがある方にもオススメできます。
ヘナは、化学染毛剤(アルカリ性酸化染毛剤)と違い脱色作用がありません。そのため、明るく染めることは出来ません。
ヘナでの白髪染めの仕上がり
他植物配合の100%植物性染料ヘナのダークブラウンで白髪染めをした仕上がりです。黒髪も白髪も暗くなります。脱色作用がないので、ライトブラウンなどの明るめを使おうが染める前より暗くなります。
仕上がりは暗くなってもいいから、とにかく髪と頭皮に優しい白髪染めがしたいというご希望の方にオススメとなるのがヘナです。
ヘナが毛髪を染める仕組み
ヘナには髪のメラニン色素を分解する脱色作用を持たないため、黒髪を明るくすることが出来ません。
使う色にもよりますが、白髪の量が少ないとかなり真っ黒とした仕上がりになりやすいので注意が必要です。
ただ、髪にもたらす効果としてはハリ・コシを出してくれる部分もありますので、その仕組みを解説していきます。
植物性というヘナの特徴
植物性のこの染料は粉末状になっており、お湯とよく混ぜて使用します。
ヘナの作用と成分
【主成分】
植物色素
・ローソン
・インディゴ
ヘナの植物色素のローソンは、毛髪成分のケラチンタンパクに絡みつき、髪が染まります。インディゴは毛髪内部で染着します。
髪に優しく染まる仕組み
次に、ヘナが髪を染める仕組みを図で解説します。
染める前の状態の髪です。
キューティクルが閉じている、正常な状態。
パウダー状になっているヘナにお湯を混ぜてペースト状にした染料。
赤色色素をもったローソンと藍色のインディゴの植物色素。
キューティクルは開かず、ローソンとインディゴが毛髪内部に入る。
ローソンはケラチンに絡みつくようにして定着し、インディゴは内部で染着。
ヘナの植物色素のローソンだけでは、赤味が強く仕上がりがオレンジ色になります。
そこで、植物色素のインディゴも毛髪内部で染着させることで、オレンジ色と重なりダークブラウンに仕上がります。
ヘナは、ケラチンに絡みつき、ハリ・コシがUPし毛髪が補強されます。
ダメージが目立つ毛髪は、ケラチンなどの成分が少なく色素が定着しづらくなります。キューティクルを開くことやメラニン色素を脱色することはできません。
キューティクルを開かずメラニン分解しないため、髪にダメージはありません。
ヘナでの白髪染めで出来ること出来ないこと
【出来ること】
- 髪と頭皮に優しく、負担なく白髪を染めれる
- 髪のキューティクルを開かずに染めれる
- 根元からしっかりと白髪も染めれる
色はブラウンベースを中心に明るいヘナから暗めのヘナまで選ぶことは出来ますが、多くはありません。
キューティクルは開かずに髪とお肌に優しいので、ダメージを気にすることなく続けられます。
【出来ないこと】
- 黒髪を明るくすることはできない
- 黒髪はあまり色味の変化はない
- ヘナでカラーチェンジしていくのは難しい
脱色作用がないので明るくできないため、染めれば染めるほど暗くなります。黒髪が多ければ多いほど、仕上がりはあまり変わった感じにはなりません。
ヘナでの白髪染めは、はじめに暗めのヘナで染めてしまうと、次に明るめのヘナで明るくしようとしても色が重なって、さらに暗くなりやすいです。
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ヘナでの白髪染めのメリットデメリット
白髪染め以外では染料としては使われることもないヘナには、メリットデメリットが明確にあります。
【メリット】
- ジアミンアレルギーの方でも安心して染めれる
- ハリ・コシがでやすい
- 髪にトリートメント効果も期待できる
- 染めれば染めるほど色持ちが良い
アルカリ性酸化染毛剤に染料として含まれるジアミンなどの化学物質を含まないため、アレルギーをお持ちの方でも安心して白髪染めが出来ます。
それに、アルカリ成分なども入っていないので、敏感肌の方にもオススメできます。
ダメージがないので繰り返し染めることができ、色持ちはどんどん良くなっていきます。
【デメリット】
- ヘナ100%での白髪染めは白髪だけがオレンジ色に染まり、自然な仕上がりとは言えません
- 独特な匂いが残りやすい
- 白髪を染めるには時間が掛かる
- 他白髪染めヘアカラー剤でのカラーチェンジができない
ヘナ100%の植物性染料は、仕上がりがオレンジです。正直キレイな仕上がりとは感じづらいです。
そのため、インディゴなどの他植物染料を含んだヘナが多いのです。
最大のデメリットとして感じるのが「他ヘアカラー剤でのカラーチェンジが出来ない」ということです。
1度でもヘナでしっかりと白髪染めをすると、もう2度と髪色を変えることが出来ないと思ってください。
「2度と」とは、ヘナで染まっている髪だけです。新しく生えてきた部分は普通にカラーチェンジが可能です。
ヘナは、植物性なので化学染毛剤(アルカリ性酸化染毛剤)とは違った作用で髪に色が着きます。そのため、髪内部の植物性染料を化学染毛剤で変化させることが出来ないのです。
化学染毛剤で明るく染めようとしたり、色味を変えようとしても、うまくいくことはありません。ダメージだけが進みます。
【まとめ】ヘナでの白髪染め
髪と肌に優しく、自然派志向の方にはオススメの白髪染め染料のヘナ。
普通の白髪染め(一般的によく使われる酸化染毛剤)で頭皮に強い刺激を感じる方や、化学染料(ジアミン)にアレルギーがある方にとっては、100%植物性染料のヘナは安心して使える白髪染めといえます。
ただ、ヘナや他植物にアレルギー反応が出ないともいえないので、100%安心できるとはいえません。
また、化学染料(ジアミン)を含んだ「混合ヘナ」もあるので、ヘナだから平気と考えずに、どのタイプのヘナなのか必ず確認が必要です。
化学染料にアレルギーを持っている方は、混合ヘナは絶対に使ってはなりません。
アレルギーに関しては「いつ?だれに?出るか?出ないか?」はわかりません。
→『白髪染めで発症する可能性があるジアミンアレルギーはどのくらいの確率でなるのか?』
それと、ヘナで白髪染めをするときは、
- ヘナで染めた髪はカラーチェンジはできない
- カラーチェンジするならヘナで染まっている髪を切るしかない
ということだけは知っておいてください。
髪と頭皮に負担なく、染めれば染めるほど色持ちが良くなるヘナですが、出来ないこともデメリットもあるので、すべての美容室で取り扱いがあるわけでもありません。
白髪染めヘアカラー剤の選択は、担当美容師とよく相談して決めることが大切です。