- 2020.02.11
- 白髪染めのこと
白髪染めで発症する可能性があるジアミンアレルギーはどのくらいの確率でなるのか?
定期的に白髪染めやファッションカラーをしている方は、ジアミンアレルギーというものを知るとまず気になることが「どのくらいの確率でアレルギーが出るのか?」ということです。
僕が担当している白髪染めのお客様も気にする方も多いです。
結論から言って確かなことはわかりません。
美容師20年以上やってきて、年間1500名以上のお客様の白髪染めをしていますが、実際にジアミンアレルギーを持つお客様に出会ったこと、カラー施術により発症してしまったお客様は数名で10名もいません。
これは、あくまで僕個人の美容師として知り得る範囲なので、実際は世の中にはもっとたくさんのジアミンアレルギーの方はいます。
ただ、白髪染めでどのようにしてアレルギーが起きるのか?どんなことがアレルギーを引き起こしやすいのか?ということはあります。
そもそも「ジアミンアレルギーとは何?」という方は、
→『白髪染めヘアカラー剤でのかぶれやアレルギーが起きる原因をどこよりもわかりやすく解説』
をまずはご覧ください。
白髪染めヘアカラー剤に含まれるジアミンでアレルギーが起きるのはいつ?
ジアミンアレルギーも花粉症と同じくアレルギーです。
- 誰でもなる可能性がある
- いつなるかもわからない
- ならない人もいる
ただ、花粉症よりは圧倒的に少ないと感じています。
それなので、正確には「コレをしたらなる」「どれだけしたら危険」というのは、個人差があり明確なものがありません。
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ジアミンアレルギーを発症しやすい理由としては「酸化染毛剤での白髪染め回数も関係する」
花粉症と同じアレルギーと言いましたが、花粉症でも人それぞれ許容値が違うと聞いたことがあるかもしれません。
花粉を吸い込み続けて、それが体内の許容値を越えた時にアレルギーとして体に症状として現れる。
ジアミンにも同じことが言えるわけです。
ジアミンを含む酸化染毛剤での白髪染めやファッションカラーをし続けていった際に、体内の許容値を越えるジアミンに触れることでアレルギー反応が出ます。
この許容値には個人差がありますので、ジアミンアレルギーの発症率も人それぞれなのです。
しかし、こう考えるとジアミンを含む酸化染毛剤で白髪染めをすればするほど、アレルギーが出る確率も高くなっていくと考えられるわけです。
白髪染めを3ヶ月に1回する方、1ヶ月半でする方、3週に1度のペースでする方…、白髪染めをする頻度は人それぞれです。
白髪染めをやり始めて、年に4回のペースなのに3年目でジアミンアレルギーが出たという方もいるかもしれませんし、初めてのヘアカラーでアレルギー反応が出たという方も実際はいると思います。
4週に1回のペースでもう10年以上白髪染めしているけど、今もまったく刺激も感じないし、かぶれたこともないという方も実際にいます。
同じように月1ペースで白髪染めし続けているお客様で、このようにまったく問題なく続けてきているお客様の方が多いのも事実です。(僕の美容室の場合)
ジアミンアレルギーがいつ出るかは、本当に個人差があり確かなことはわかりません。
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考え方は人それぞれではありますが、ジアミンを怖がりすぎることもないと思う理由
白髪染めでジアミンアレルギーが出てしまった方には、あまり良くは聞こえないことではあります。(考え方は自由というお話です)
確かに、ジアミンアレルギーによる接触性皮膚炎の症状は、決して軽視できるようなことではないですし、その後のヘアカラー施術にも影響を及ぼします。
しかしながら、アレルギー発症のリスクがあるからジアミンを含むヘアカラー剤での白髪染めをしない。という考え方しかないというわけでもないと思っています。
どのような考え方かというと、違うものに例えてみます。
世の中には、ジアミンと同じではないですが、同じようにリスクがある商品が実際にはたくさんあります。
タバコもその1つです。喫煙が及ぼすリスクがありながらも嗜好品として販売されています。
また、加工食品などに含まれる成分は体には良くないとされながらも製造販売されています。
そういったものを選択せざるおえない場合もありますが、選択は自由ではあります。人によっては「絶対に自然派」という考え方の方もいます。
絶対にジアミンはダメ。となれば、規制がかかって製造販売禁止となります。
そして、今の日本での現状としては、表示指定成分としてヘアカラー剤の成分としての表示が義務付けられ、認可されています。
「リスクがあること、それを理解した上で使用してください」ということです。
ジアミンも確かにリスクが存在してはいますが、世の中では多くの美容室で使用され、多くのお客様がこのヘアカラー剤での施術をしています。
事実、僕の美容室では90%以上のお客様がジアミンを含む酸化染毛剤での白髪染めを定期的に続けている方がほとんどです。
なぜかというと、
白髪染めの仕上がりでの優先順位が使用するヘアカラー剤に関係しています
そのお客様がたの白髪染めでのご希望が、
- 黒髪も白髪もある程度明るく同じように仕上げたい
- 根元からしっかりと白髪を染めたい
- 色持ちが良くないと困る
という、仕上がりでの優先すべきご希望があります。
ジアミンを含む酸化染毛剤での白髪染めにしか、こういったご希望全てを叶えることが困難なのです。
ジアミンを含まないヘアカラー剤を用いて、
- 黒髪も明るく白髪染めする施術
- 根元からしっかりと白髪も染める施術
といった方法もありますが、施術工程が増えて時間も掛かったり、その分施術代も高くなりますし、髪と頭皮の負担がゼロというわけでもないのです。
何より、色持ちはジアミンを含むヘアカラーには及びません。
白髪を気にして白髪染めをするお客様のご希望の多くが、アレルギーというリスクより仕上がりの方が優先順位が高いのです。(僕の美容室の多くのお客様の場合です)
このようなお客様がたは、まずは仕上がりを優先して白髪染めを続けていき、アレルギーが出たり、仕上がりよりも髪と頭皮の健康を優先したいという考えになったら、施術方法を見直すという考えの方が多いです。
「アレルギーが出たらその時考える。今は仕上がりを優先したい」ということです。
それなので、髪と頭皮のケアも大切となります。
もちろん、仕上がりも大事だけど髪や頭皮のことを1番に優先したいというお客様もいます。このようなご希望のお客様はヘアマニキュアでの施術をすることが多いです。
白髪染めでの優先順位、考え方は人それぞれです。
白髪染めをする方は、仕上がりのご希望もあるはずですし、その仕上がりを叶えたいと思うはずです。
施術方法や使用するヘアカラー剤のメリットデメリットを理解した上で、どのように白髪染めで希望の仕上がりにするのかが大事なのです。
ジアミンアレルギーはいつ起きるかもわからないことです。あまり敏感になりすぎずに仕上がりを優先した考え方もあるというお話です。(あくまで1つの考え方ではあります)
それでも、ジアミンアレルギーが出る確率などは非常に気になるところです。
正確にわからないといえども、美容師の僕も心配している部分ではあります。
なぜなら、
美容師が1番ジアミンアレルギーになる可能性が高いと考えられるから
先にも説明した通り、ジアミンを含むヘアカラー剤での施術回数がアレルギー発症に関係してくるということ。
ジアミンに接触する回数が多ければ多いほど、アレルギーが出る確率が高くなるわけです。
このことから考えると、1番発症する確率が高いといえるのは間違いなく美容師です。
僕はもう20年以上も毎日毎日ジアミンに直接触れています。1日に何度も何度も酸化染毛剤を取り扱ってます。(お休みもあるので正確には毎日ではないですが…)
ヘアカラー施術をするときは、手袋を着用してヘアカラー剤の塗布をしていますが、お客様のカラーのお流しやシャンプー、カラーカップの洗浄をするときなどは素手です。
もう、どれだけの回数ジアミンに接触してきているかなんて数え切れないです。毎日何回もジアミンに触れています。
僕の周りの美容師ももちろん同じです。
肌の弱いスタッフなどは、極力手袋を着用してシャンプーしたり、カラーカップを洗ってはいますが、全く触れないということはありません。
そんな美容師ではありますが、僕の周りではまだジアミンアレルギーが出たという美容師はいません。(僕の周りだけですので、狭い範囲かもしれません…)
僕が出会った、知っている美容師の数よりも今まで施術してきたお客様の数の方が圧倒的に多いので、お客様の中にはジアミンアレルギーがあるという方も数名いました。
それでも、少ないと思っています。
美容師がジアミンの許容値が大きいのか何なのかはわかりませんが、不思議と僕の周りでは誰もいないのです。(たまたまというだけかもしれません)
こういうことは、本当に憶測にすぎませんが、ジアミンは確かにアレルギー性接触皮膚炎を引き起こす可能性がありますが、ヘアカラーをする方の中での割合で考えると、
「多いわけでもない」と考えられるのかと。
いつ起きるのか、誰がなるのか、正確にわかることは何もないので、無責任なことを言っているわけではなくて、あくまで憶測です。
なんにせよ、これからも美容師という仕事を続けていく上で、カラー剤などによるアレルギー症状は注意が必要と考えています。
ジアミンアレルギーが出る確率はわかりませんが、お客様の白髪染めをしていく上でも常に注意しながら施術していかなければなりません。
白髪染めをするお客様におかれましては、ジアミンの特性だけは知っておいてほしいと思います。
- ジアミンを含む染毛剤だからこそ出来ること
- ジアミンが含まれていることで起きるアレルギー
- アレルギーが出る確率はわからない
- ジアミンを含まない染毛剤での白髪染め
その上で、ご自身のご希望や優先順位を考えて、白髪染めをしていくことが必要です。