- 2020.02.06
- 白髪染めのこと
白髪染めヘアカラーの種類を全部紹介!出来ること出来ないことが必ずある。
白髪を染めるヘアカラー剤にはいくつか種類があり、それぞれ特徴があります。
- 出来ること、出来ないこと
- 得意なこと、不得意なこと
どのヘアカラー剤にも必ずメリットデメリットがあります。
何の知識も持たずに白髪染めヘアカラー剤を使用した時、希望通りの仕上がりにならいだけならまだしも、取り返しのつかない状態にもなることがあるので注意が必要です。
ここで美容師の僕が紹介するへカラー剤を使えば白髪が思い通りに染まるということではありませんが、
- 自宅で白髪を染める場合は、希望の仕上がりにするための最低限の薬剤知識が身につく
- 美容室で白髪染めをするときの美容室選びの判断材料となる
この2つを知ることができると思います。
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白髪を染めることができるヘアカラー剤の種類
市販されている中でも最も種類の多い白髪染めヘアカラー剤から、美容室で使用されるあらゆる白髪染めヘアカラー剤まで紹介します。
まずは、1番使用率が高いヘアカラー剤から紹介していきます。
「アルカリ性酸化染毛剤」は白髪染めでの使用率No.1
ドラッグストアでもよく見かけているものです。各種メーカーからも1番出ているヘアカラー剤となります。
ホームカラーをしたことがある方は「アルカリ性酸化染毛剤」という名称を知らないだけで、たぶん使ったことがあると思います。
呼ばれ方としては「ファッションカラー」、「グレイカラー」となります。
「白髪染め」というと、このヘアカラー剤を指すことが一般的といえます。
また、美容室においても白髪染めに限らず、ファッションカラーとしても1番使用されるのが、この「アルカリ性酸化染毛剤」です。
美容師ではない一般の方には聞きなれないものですが「明るく染める、暗く染める」など、髪色を変えるときに幅広く対応可能なヘアカラー剤といえます。
美容室で使われるヘアカラー剤としては、ファッションカラー(おしゃれ染め)とグレイカラー(白髪染め)と2つに分類されているものが多いです。
(→白髪染めとファッションカラーの違い)
美容室で、
- 「明るいアッシュ系カラーにしたい」
- 「伸びてきた黒い根元を染めたい」
- 「伸びてきた白髪を毛先に合わせて染めたい」
このようなよくある希望の時には、このアルカリ性酸化染毛剤が使われることがほとんどです。
美容室でも市販されているものでも、ヘアカラーといえばまず「コレ!」といえるくらい、本当に最も多く使われるカラー剤です。
僕の美容室で白髪染めをする時も1番使用しています。
白髪でお悩みのお客様90%以上の方に使っています。
アルカリ性酸化染毛剤の白髪染めヘアカラー剤が得意なことやメリット
【得意なこと】
- 白髪をしっかり染めること
- 黒髪と白髪を同時に染めることができ、限度はあるが黒髪も白髪もある程度同じ仕上がりにできる
- 明るさに限度はあるが、明るくも暗くもできる
【メリット】
- 根元からしっかりと染めれる
- 発色が良く、色持ちが良い
- 色の種類が多い
- 各メーカーが1番多く作っているため選択肢が最も多い
- 調合することで幅広い希望に対応できる
アルカリ性酸化染毛剤の白髪染めヘアカラー剤が不得意なことやデメリット
【不得意なこと】
- 黒髪をキレイに明るく染めること
- ファッションカラーのような透明感のあるカラー
- 彩度の高いキレイな色を出すこと
【デメリット】
- 髪、頭皮への負担がある
- 個人差あるが刺激を感じやすい
- ごく稀にアレルギー反応がでることもある
【大事なこと】
- 幅広く対応可能な白髪染めではあるが、専門知識と技術が必要
- 髪と頭皮に負担があるため、ヘアケアと頭皮ケアも大事
- 染まりも色持ちも1番良いが、稀にアレルギーを引き起こす可能性もある
白髪染めでも明るく染めたい方は、このヘアカラー剤の白髪が染まる仕組みをすべて解説した記事もご覧ください。
→『白髪染めで最も使われるアルカリ性酸化染毛剤のすべてを解説
』
「ヘアマニキュア」と呼ばれる酸性染毛料は美容師でないと難しい
ヘアマニキュアは「酸性カラー」とも呼ばれるヘアカラー剤で白髪染めとしてよく使用されます。ドラッグストアでも買えますし、美容室でも昔から使用され続けています。
ファッションカラー(アルカリ性酸化染毛剤)などのアルカリ性と違いアルカリ剤が含まれないため脱色作用がなく、黒髪を明るくすることはできません。
また、地肌に着かないように塗布するテクニックが必要なため、美容師でないとキレイに白髪を染めることは難しいヘアカラー剤です。
それと、根元からしっかりと染めることはできません。根元数ミリは白髪のまま残ります。
僕の美容室では白髪染めで使用することは多くありません。
明るさや色味など仕上がりを重視する場合は適さないので。
ヘアマニキュアが白髪染めで得意なことやメリット
【得意なこと】
- 白髪は自由な色に仕上げやすい
- 髪をコーティングすること
【メリット】
- 髪と頭皮に負担がない
- 髪にツヤが出る
- ハリ、コシが出る
- UV効果がある
ヘアマニキュアが白髪染めで不得意なことやデメリット
【不得意なこと】
- 根元からしっかり染めることはできない
- 黒髪を明るくすることはできない
- 黒髪の色味を変えることができない
【デメリット】
- 地肌に着くと落とすのが困難
- プロのテクニックが必要
- 色持ちがあまり良くない
- 汗や雨で色移りすることがある
- 次のカラーチェンジがしづらくなる
【大事なこと】
- 髪と頭皮の負担はないが、キレイに染めるにはテクニックが必要不可欠
- 根元1〜3ミリくらいの白髪は染まらない
- 染めてから4〜5日は色移りしやすいので注意
- 仕上がりよりも髪のダメージ回避が最優先ならオススメ
ヘアマニキュアでの白髪染めをもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
→『白髪染めで使われるヘアマニキュアとはどんなヘアカラー剤なのか?すべてを解説』
塩基性染料、HC染料などの白髪染め「白髪染めトリートメント」
市販でも多くのメーカーから販売されるようになった白髪染めトリートメント。
自宅でトリートメントをする感覚で手軽に染めれると言われている。
髪にダメージはないが、ヘアマニキュアと同じく脱色作用がないので黒髪を明るくすることが出来ない。
毛髪内部に染料は入らず、コーティングするように染まるので、シャンプーする度に色落ちしていく。
なので、個人差もありますが3~4日に1回は、使っていないとキレイな状態を保つのは難しい白髪染めといえます。
正直、しっかり白髪を染めたい方には不向きといえます。
白髪染めトリートメントが白髪染めで得意なことやメリット
【得意なこと】
- 白髪に色をつけること
- 髪の質感をよくすること
- 根元から塗布できる
【メリット】
- 髪へのダメージがゼロ
- 白髪を染めながらトリートメント効果がある
- 地肌についてもマニキュアよりも落としやすい
- テクニックは不必要なので自宅で使える
白髪染めトリートメントが白髪染めで不得意なことやデメリット
【不得意なこと】
- 黒髪を明るくすることはできない
- 1回でしっかりと白髪を染めることはできない
【デメリット】
- 色が落ちやすい
- 色数が少ない
- 使い続けるとカラーチェンジが困難となる(美容室で白髪染めするときに希望通りになりづらくなる)
【大事なこと】
- 特に専門知識と技術を必要としないので、自宅で使うには良いといえる
- 髪に負担はないが、染まりと色持ちは良くない
- 白髪をしっかり染めるというより「ぼかせる」くらいに思って使うべき
白髪染めトリートメントでの白髪染めをもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
→『白髪染めトリートメントとは?オススメの方や色の選び方、含まれる染料を詳しく解説』
アレルギーの方でも白髪染めできる「ノンジアミンヘアカラー剤」
ヘアカラーで1番使用されるアルカリ性酸化染毛剤ですが、稀にアレルギーが出る方もいます。
染料として含まれるジアミンに対して起こる反応で「ジアミンアレルギー」というものです。
このアレルギーが出た方は、ノンジアミンカラー剤でしかヘアカラーは出来ません。絶対に市販のヘアカラー剤で自宅で白髪染めはしてはなりません。
必ず、美容室で相談してください。
また、ノンジアミンカラー剤にはアレルギーを起こしやすい成分は入っていないものの、デメリットが多いのも事実です。
また、ノンジアミンヘアカラー剤でもいくつか種類があります。
僕の美容室で使うことはほぼありません。白髪染めをするお客様のほとんどがアルカリ性酸化染毛剤です。
ノンジアミンヘアカラー剤が白髪染めで得意なことやメリット
【得意なこと】
- 肌の弱い方やアレルギーがある方でも根元から染めることができる
【メリット】
- アレルギーが起きづらい
- ヘアマニキュアと違い根元から染めれる
- 薬剤にもよるが髪と頭皮への負担がほとんどない
ノンジアミンヘアカラー剤が白髪染めで不得意なことやデメリット
【不得意なこと】
- 明るく染めることは難しい
- しっかり暗めに染めるのは難しい
- 幅広い色に対応することは難しい
【デメリット】
- 色持ちが良いとはいえない
- 白髪をしっかり染めれない
【大事なこと】
- ジアミンアレルギーは誰でも起こり得るもの
- アルカリ性酸化染毛剤にアレルギーがある方にはオススメ
- 色持ちが悪いため毎回フルカラーするのがベスト
- どこの美容室でも取り扱っているわけではないので、予約時に確認が必要
ノンジアミンヘアカラーについての白髪染めをもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
→『白髪染めでアレルギーが出た方も使えるノンジアミンヘアカラー剤の特徴や仕上がりを紹介』
自然派の方にはオススメ?植物性染料の「ヘナ」
植物に含まれている色素を使った白髪染めです。
髪を染めるのによく使われ、知られているのが「ヘナ」と呼ばれる染料です。
市場では、100%植物性のヘナと化学染料を含んだ混合ヘナが販売されています。
もともとヘナに含まれる髪が染まる色素は赤色色素で、100%植物性のヘナで髪を染めると「赤っぽい」「オレンジ」などの印象になります。化学染料が配合されたヘナで白髪などを染めるとダークブラウンや黒に近い色に染まります。
しかし、100%植物性の染料と違って化学染料(アルカリ性酸化染毛剤)にアレルギーがある方はかぶれや湿疹などがでる可能性があるので注意も必要。
また、ヘナ以外の植物性染料とヘナを混ぜて、色を出す染め方や染料もあります。
僕の美容室では、ヘナは取り扱っていません。
ヘナは髪にも肌にも優しいのは間違い無いですが、カラーチェンジは絶対にうまくいきません。
白髪染めで髪と頭皮の負担を無くしたいお客様は、ヘアマニキュアを使うことがほとんどです。
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植物性染料のヘナが白髪染めで得意なことやメリット
【得意なこと】
- 髪と頭皮に負担をかけずに白髪を染めれる
- 髪にハリコシを出すことができる
【メリット】
- 髪とお肌に優しい
- 髪にトリートメント効果としても期待できる
- 染めれば染めるほど色持ちが良い
植物性染料のヘナが白髪染めで不得意なことやデメリット
【不得意なこと】
- 白髪を染める色が選べない
- 黒髪を明るく染めることはできない
【デメリット】
- ヘナ100%での白髪染めは白髪だけがオレンジ色に染まる
- 独特な匂いが残りやすい
- カラーチェンジはうまくいかない
- 白髪を染めるには時間が掛かる
【大事なこと】
- 化学染料と違い自然派の方にはヘナがオススメ
- ヘナで白髪染めするなら、ヘナをずっと続けるつもりで染める
- 100%植物性ヘナと化学染料の混合ヘナがあるので注意
- 色数は選べない
- お肌に優しいとはいえ、植物にアレルギーが出ないともいえない
- どこの美容室でも取り扱っているわけではないので、予約時に確認が必要
ヘナでの白髪染めを考えている方に絶対に知っておいて欲しいことがあります。こちらをご覧ください。
→『植物性染料ヘナで白髪染めの特徴や仕上がりを詳しく紹介』
白髪染めヘアカラー剤を選ぶには最低限の知識が必要
白髪染めヘアカラー剤の種類を紹介してきましたが、あくまで基本的な知識と得意不得意の説明です。
ただ、市販の白髪染めホームカラーの選択をする際の最低限の知識と、美容室選びの際の判断材料にはなるかと思います。
僕の美容室に初めてご来店くださる白髪染めのお客様の中には、
- ホームカラーの繰り返しで、髪と頭皮があまり良いとは云えない状態になっている方
- カラートリートメントをし続けていて、サロンカラーで希望通りにすることが難しい方
- ヘナで染めていてカラーチェンジがしたいけど、どうにもならない方
- いろんなヘアカラー剤を試しすぎて、キレイに染め直すのが困難な方
など、難しい状態の髪のお客様もいます。
上記のような状態の場合、1度でご希望の仕上がりにすることはまず無理です。(希望内容にもよりますが、困難な場合がほとんどです)
白髪染めヘアカラー剤には「できること、できないこと」があります。
美容師であれば知っていて当然のことも、一般の方にしてみれば知らなくて当然なわけです。
そして、最低限知っておくべきヘアカラーの知識がない一般の方に向けて、多くの白髪染めヘアカラー剤が市販されて手軽に使える状況は、美容師としては如何なものかと思ってしまう部分もあります。
黒髪を染めるのが得意なヘアカラー、白髪を染めるのが得意なヘアカラー、色持ちが良いもの、ダメージがあるもの、カラーチェンジが出来なくなるもの…
プロである美容師がお客様の髪を見て触って、ご希望を聞いた上でないとベストな白髪染めヘアカラー剤を選択することはできません。
選んだ白髪染めヘアカラー剤でどんな施術工程にするのが、お客様にとってベストなのかを判断するにも薬剤知識と経験が必要となります。
髪は大切な体の一部です。
白髪を染める際は、できることできないことを理解した上で、ご自身の中で仕上がりの希望に優先順位をつける必要もあります。
全てを叶えるパーフェクトな白髪染めヘアカラー剤は、現状では存在しません。
だからこそ、ヘアカラー剤を扱う美容師の知識と技術力、経験が大切となります。
ホームカラーをする際は、必ず担当美容師のアドバイスを受けることをオススメします。