- 2020.05.19
- 美容室での白髪染めについて
美容室の白髪染めは根元染め(リタッチ)でダメージ軽減が基本です
白髪染めで大切なのは「ダメージを最小限に抑えること」です。
そのための技術がリタッチと呼ばれる根元染めです。
定期的な白髪染めをしている方にとって1番重要な技術であり、ダメージを最小限にすることは大切な考え方となります。
なぜ、美容室での白髪染めは根元のみ染めるリタッチが重要なのか?
リタッチとはどのような技術なのか?
多くの白髪染めのお客様を担当している美容師が詳しく紹介します。
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白髪染めは根元のみ染めるリタッチを基本にするべき理由
これを解説していく上で重要となるのが、白髪染めで使用されるヘアカラー剤です。
美容室で「白髪染め」と呼ばれるものは【アルカリ性酸化染毛剤】というタイプの白髪染めのことで、ここでの解説ではこのタイプの白髪染めになります。
このアルカリ性酸化染毛剤のことは『白髪染めで最も使われるアルカリ性酸化染毛剤のすべてを解説』で紹介しています。
ここでは、白髪を染める上でのメリットデメリットを簡単に説明します。
【メリット】
- 黒髪と白髪を同時に明るく染めていける
- 色持ちが良い
- 幅広い色味が表現できる
【デメリット】
- 髪にダメージが出る
- 頭皮への刺激がある(個人差あり)
というタイプの白髪染めで、美容室の白髪染めで最も使用されるヘアカラー剤です。
このデメリットである「髪へのダメージ」がポイントとなります。
ダメージを最小限に抑えることが白髪染めでは大切
白髪染めをするほとんどの方が定期的な白髪染めをします。
個人差ありますが、気になるお顔周りや分け目に目立った白髪が生えている方は、4〜5週間に1回のペースで白髪染めする方が多いです。
年間で考えると12〜13回は白髪染めによる負担が髪に掛かることになります。
髪の毛には、皮膚のように自己修復する力はありません。そのため、1度ダメージを受けると元に戻ることはないのです。
トリートメントで補修をして質感を良くしたり、ツヤを出すことは可能です。しかし、これもこれ以上傷ませないようにすることが目的で、生えたての健康な髪に戻せるわけではありません。
ヘアカラーやパーマといった化学薬剤での施術で、髪のダメージがゼロということはないのです。
そして、髪の毛も化学的ダメージによる限界があります。
カラーやパーマを好きなだけ何度でもできるというわけではないので、白髪染めにおいても如何にダメージを抑えて施術するかが重要となってくるのです。
髪が化学薬剤の施術に耐えられなくなると、白髪染めやパーマなどの施術でご希望の仕上がりにできなくなります。
こうなってしまっては、定期的な白髪染めを続けるお客様にとって致命的な状態となります。ご希望のお色に染めることができなくなりますから。
リタッチ(根元染め)で白髪を染めることで不要なダメージを避ける
白髪染めにおいて不要なダメージを出さないための最善策が「リタッチ」です。
リタッチで新しく伸びてきた根元の白髪(黒髪)を染めることで、それ以外の部分(毛先)に不要なダメージを与えることなく仕上げられます。
定期的な白髪染めでは、白髪染めヘアカラー剤を塗布するのは根元のみにすることで、毛先には一切負担を掛けることなく白髪染めができます。
これが白髪染めにおいては非常に大事です。特に髪が長い方は尚更です。
しかし、ここで気になるのが毛先の色かと思います。前回までの白髪染め部分の色落ち具合です。
- 「毛先の白髪染めが色落ちして、白髪が目立っているのでは?」
- 「毛先まで染めないでも大丈夫なの?ムラにならない?」
このような心配が出てくると思います。
大丈夫です!とはハッキリとは言えません。残念ながら多少は色落ちしています。
白髪染めで染めてる明るさに大きく左右されますが、ずっと色落ちしないというわけではないので、状態によっては毛先の白髪も目立っているかもしれません。
それなので、何回かに1回は状態を確認して、フルカラー(全体染め)をする方がキレイではあります。
ただ、白髪のお悩みを白髪染めで解消する際に1番重要なのが「伸びてきた白髪」なんです。
この伸びてきた根元の白髪がストレスの原因となっているんです。毛先ではないのです(毛先も気になる時はいずれはきます)
1番気になる白髪は新しく伸びてきた根元部分
定期的な白髪染めをしている方であればわかることかと思います。
1度白髪染めしている部分の白髪というのはそこまで目立ちません。
(染めている明るさによりますが)
それに白髪染め(酸化染毛剤)は色持ちが良いので、2〜3ヶ月は気にならずに過ごせる方が多いです。
ただ、根元の白髪は2ヶ月も我慢できません。白髪の量や生えている場所にもよりますが、我慢できるという方は少ないです。
白髪は気がつくと伸びてます。あっという間に気になってくるものなんです。
白髪染めをしていて何が1番気になるかというと根元の白髪なんです。
その気になる根元の白髪を染めるだけで、仕上がりも全然違うんです。根元しか染めていないのに全体としてキレイなイメージになるんです。
上の画像のお客様は、伸びてきた根元のみを白髪染めしています。毛先は一切染めていません。
こちらのお客様もリタッチのみで根元以外は染めていません。根元の伸びてきた白髪を染めるだけでも、白髪の与える嫌な印象はなくなりキレイに仕上がります。
多くのお客様が白髪染めのリタッチでキレイをキープします。
そして、毛先など全体的な色落ちが気になってきたら、状態を見ながら全体を染めます。
例えば、下のお客様
前回の全体染めから3ヶ月以上経つため、褪色が目立って全体的に明るくなりすぎています。リタッチではなくフルカラーでキレイに仕上げています。
このように、毎回リタッチを基本に白髪染めをしていき、全体の色落ち具合を見ながらフルカラーします。
- フルカラー
- リタッチ
- リタッチ
- リタッチ
- フルカラー
- リタッチ
- ……
のような流れをイメージしてください。
全体染めは髪の負担が大きくなるので、基本は根元染めで髪の負担を最小限にして仕上げることが、髪を良い状態にキープするために大切なことです。
リタッチとは美容室でしかできない技術
リタッチは、新しく伸びてきた根元部分だけを毛先の色に合わせて染めていく技術です。
- 毛先の色に合わせた薬剤調合
- 塗布する順番
- 毛先に付かないよう伸びてきた根元だけを染める
といった美容室でないとできない難しい技術となります。
ホームカラーでは、リタッチでの白髪染めが難しいため、髪に余計な負担が掛かってしまうことがほとんどです。
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白髪染めのリタッチが美容室でないとできない訳
定期的な白髪染めをする方にとって重要な技術となるリタッチで、キレイな仕上がりを実現するには知識と技術が必要となります。
毛先の色に合わせる薬剤調合
リタッチで使う白髪染めヘアカラー剤の調合です。
伸びてきた根元のみを染めるので、仕上がった時に全体が均一になるようにする必要があります。
根元だけ暗すぎたり明るすぎたりすると、仕上がりとしてはキレイとは言えません。
白髪染めヘアカラー剤というのは、白髪と黒髪の量のバランスで仕上がりに差が出てきます。
同じ白髪染めヘアカラー剤を使って染めても、白髪の量が違うと仕上がりも変わってきます。
そのため、毛先の色に合わせて薬剤調合するときは、白髪の量によって変わってくる仕上がりの差まで計算して調合する必要があるのです。
薬剤を塗布する順番
白髪染めヘアカラー剤をどこから塗りはじめていくかも大事です。
基本的には「白髪の1番目立つ部分」から塗り始めます。
白髪の多い場所と少ない場所と、全体で見るとかなり違いがあるものです。
適当に塗り始めれば良いということはありません。
どこにどれくらいの白髪があるのか?
ここをしっかりと理解しておく必要があります。
毛先に付かないよう伸びてきた根元だけを染める
リタッチ技術で1番重要なのがこの「根元だけ」染めるということです。
狙った部分に必要な量を的確に塗布していく技術です。
これが出来ないと、薬剤調合が的確に出来ていてもキレイな仕上がりにはなりません。
染めムラができたり、伸びてきた根元と毛先の境目が馴染まなかったりと影響してきます。
的確な薬剤調合、狙った部分にだけ塗布する技術で上の画像のようにキレイに仕上げることができます。
また、根元だけ塗布するとはいえ、前回染めた部分にも少し重ねて塗る必要はあります。
少し重ねて染めるのですが、
- 新しく伸びてきた部分は塗布量多め
- すでに染まっている部分は塗布量少なめ
というように、塗布量を微妙に調節することで境目をキレイに馴染ませています。
このようにリタッチすることで、
- 境目が馴染む
- 前回染めた部分の色持ちが良くなる
となります。
リタッチする白髪染めヘアカラー剤で全体染めするときは注意
ご自宅でホームカラーで白髪染めをする方は、特に注意してほしいことがあります。
伸びてきた根元の白髪が気になるからと、安易に全体染めしてしまうと失敗する可能性が高くなります。
- 伸びてきた根元の白髪
- すでに染まってる髪
この2つは、色も明るさも状態が違います。
リタッチせずに同じ白髪染めヘアカラー剤で全体を一気に染めてしまうと、
- 伸びてきた根元は明るい
- すでに染まっている髪は暗い
という差が出た仕上がりになってしまいます。
見かけることないでしょうか?
根元は赤茶に明るくなっていて、他全体は暗い色になっている方。
この状態は、うまくリタッチができていない仕上がりです。
白髪染めで全体染めするときは根元と毛先で施術を変える必要がある
新しく伸びてきた根元とすでに染まっている髪を、同じ調合のヘアカラー剤で塗っても同じにはなりづらいのです。
『伸びてきた根元用の調合』と『すでに染まっている髪用の調合』
この2つの白髪染めヘアカラー剤を準備する必要があります。
または、髪色の状態や仕上がりによっては、根元用に調合したヘアカラー剤を時間差で毛先に塗っていく場合もあります。
こういった仕上がりの予測をして、髪の状態に合わせた的確な調合や施術工程を考えて白髪染めできるのが美容室なのです。
定期的な白髪染めは美容室でのリタッチがすごく大切です
美容室でしかできない白髪染めの「リタッチ」という技術が、なぜ定期的な白髪染めをする方にとって大切か紹介してきました。
白髪でお悩みの方が1番気になるのは伸びてきた根元の白髪です。
そこだけをいかにキレイに白髪染めできるかで、髪のダメージが全然変わってくるのです。
- 根元染めの「リタッチ」
- 全体染めの「フルカラー」
この2つの技術を髪の状態を見ながらうまく施術していくことで、髪に余計な負担を掛けずに気になる白髪をキレイに仕上げていきます。
定期的にする白髪染めだからこそ、ダメージは最小限に抑えることが大切となり、そのための技術が美容室でしかできないリタッチです。
ご自宅での白髪染めでリタッチにチャレンジしたい方は、こちらを参考にしてみてください。
美容師としてはオススメはしていませんが、ご自身で白髪染めするときは最低限の知識を持って行うことが大切です。