- 2020.03.04
- 白髪染めのこと
1番色持ちが良い白髪染めは黒だけど知っておくべきこともある
「白髪染めで色持ちが良い色はなんですか?」
これもよく聞かれます。
1番色持ちが良いのは「黒」です。
白髪染めに限ったことではなく、ヘアカラーでは暗ければ暗いほど、濃ければ濃いほど色持ちが良くなります。
白髪染めをするときの優先順位が「とにかく1番は色持ち良く染めたい」という場合は、黒で白髪染めとなります。
ただ、ここでは黒で白髪染めすることをオススメしているわけではありません。黒で染めることにはデメリットもあるからです。
- 白髪を黒く染めることのメリット
- 白髪を黒く染める方法
- 黒で染めるとなぜ色持ちが良いのか?
- 黒で染めない方がいい場合もある
- 白髪を黒く染めたときの最大のデメリット
を紹介するので、白髪染めをするときに「黒くした方がいいのか?しない方がいいのか?」を判断するときの参考にしてください。
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白髪を黒く染めることのメリット
とにかく色持ちが良いです。1ヶ月2ヶ月で落ちることはありません。
白髪染めの黒は色持ちが1番良い
このお客様は、白髪染めをし始めた時から7年間ずっと黒にしています。地毛と同じくらいの黒が好みという方です。
そして、この7年間ずっと新しく伸びてきた根元だけを4週に1度のペースで白髪染めしています。毛先まで全体を染めたのは、はじめての白髪染めのときの1回だけです。
これがどういうことかというと、1度染めた部分をそれ以来染めていないということです。1回しか染めていないのに目立った色落ちがないということです。
正確にお伝えすると、リタッチするときに前回(4週前)染めた部分も少し重ねて塗ってはいます。
落ちないんです。かなり色持ちが良いといえます。
ただ、ヘアカラーの色持ちというのは、お客様の日常生活やヘアケアの仕方でも差が出てきますので「誰でも同じ」というわけではありません。
最小限のダメージで白髪染めが続けられる
白髪染めでも毛先の色落ちが目立ってくれば、キレイに仕上げるためには全体染め(フルカラー)する必要があります。
しかし、ヘアカラーやパーマで髪に全くダメージがないということはありません。(ダメージゼロのヘアカラーはありますがデメリットも多数)
全体染めの際に、どうしても毛先まで負担が掛かってしまうのです。
新しく伸びてきた根元の髪は健康毛ですが、毛先はヘアカラーを繰り返していたり、パーマがかかっていたりしてダメージがある状態です。根元の髪よりダメージを受けやすいのが毛先です。
なるべくなら、全体染めの回数が少ない方が髪を良い状態で保てます。
全体染めの回数が少なく済む、または全体染めしなくて済むことがダメージを最小限に抑えるために大切なことです。
その点、黒い白髪染めは色持ちがかなり良いので、基本的に毎回リタッチで特に問題ありません。毎回リタッチは白髪染めで髪を傷めない1つのポイントです。
黒は髪が傷んで見えない
日本人の自然な髪色はほぼ黒です。個人差ありますが基本的には少し赤味のある黒色となります。
白髪を地毛に近い黒で染めると、まず統一感が出てキレイに仕上がります。また、自然な色合いは髪のダメージを感じさせません。
リタッチで十分色持ちキープできるので、そもそもダメージが出づらいといえますが。
白髪を黒く染める方法
白髪染めにもいくつか種類がありますが、白髪を黒く染めるのはそこまで難しいことではありません。
白髪染めが苦手な美容師でも比較的迷うことなく施術ができるものです。
最初に紹介しているお客様は、アルカリ性酸化染毛剤での施術例となります。一般的には、この白髪染めヘアカラー剤での施術が最も多いです。
黒といっても、赤味のある黒、青味のある黒など微妙ではありますが、仕上がりの雰囲気に差が出ます。
右のアッシュをミックスした黒の方がより黒さを感じます。左のバイオレットをミックスした方が少し柔らかさが出ます。
黒でも微妙な色味の差で明るさの感じ方も変わります。こういった微妙な雰囲気を出せるのもアルカリ性酸化染毛剤の良いところではあります。
ただ、地毛に近い黒で染めるなら黒髪を脱色する必要もないので、なるべくダメージがないもので染めたいと考えるなら、このアルカリ性酸化染毛剤はオススメしません。
この場合は、ヘアマニキュアやカラートリートメント、植物性染料などで白髪染めをする方がオススメではあります。
ただ、使用するヘアカラー剤によってもメリットデメリットがあるので、それらを理解した上で選択する必要があります。
白髪染めをするときに使うヘアカラー剤で迷ったら、こちらの記事を参考にしてください。きっとご希望のベストなヘアカラー剤が選べるはずです。
黒で白髪を染めるとなぜ色持ちが良いのか?
ここで説明するのは、アルカリ性酸化染毛剤で白髪を黒く染める場合です。
アルカリ性酸化染毛剤はヘアカラーの中でも1番色持ちが良いヘアカラー剤とされています。
→『白髪染めで最も使われるアルカリ性酸化染毛剤のすべてを解説』
白髪染めヘアカラー剤は暗ければ暗いほど染料が多く濃い
ヘアカラー剤の1剤に含まれる酸化染料の割合が多く、色も濃いので発色も定着もいいのです。
明るめの白髪染めヘアカラー剤の1剤と比べてみましょう。
白髪染めには白髪をしっかり染めるためにブラウン(酸化染料)が配合されています。このブラウンが明るさと濃さに大きく関係してくるのです。
黒い白髪染めは、ブラウンの割合が多く白髪をしっかりと暗く濃く染めることができるのです。
そして、暗く濃く発色し定着した酸化染料は、ちょっとやそっとじゃ抜けることはありません。だから、白髪を黒く染めると色持ちが良いのです。
白髪を黒で染めない方がいいという場合もある
色持ちの良い黒ですが、白髪の量や生えている場所によってはオススメできない場合もあります。
白髪がお顔周りの生え際や負け目に多い場合
白髪の量や生えている場所は個人差がありますので、色持ちが良いからといって必ずしも黒く(暗く)するのが良いというわけではないのです。
白髪は黒髪と真逆の色であり、一番コントラストが強く差が激しい色です。
明るめに染めれば染めるほど、コントラストが弱くなり白髪との差がぼけていきます。
お顔周りの生え際など、少し伸びてきただけでも白髪は気になります。
明るさや色は好みもありますが、黒ではなく明るめに染めた方がいい場合もあります。
黒で白髪染めした時の最大のデメリット
明るくできません。明るく染めようとしても明るくなりづらい状態となります。
最初に紹介しましたが、黒い白髪染めでずっとリタッチしかしていないのに、ほぼ色落ちしていないお客様のこと。
色持ちが1番良いけど、白髪染め後のカラーチェンジが1番困難となるのも黒なのです。
ちょっとやそっとじゃ色落ちしない黒は、簡単には明るくできなという最大のデメリットがあります。
白髪が生え始めてきて、はじめて白髪染めをしようとなった時、地毛と同じ黒に染めようと簡単には決めない方がいいです。
ただ、白髪染めで黒く染めた髪は絶対に明るくできないというわけではありません。手間も時間も髪への負担も掛かりますが、明るくする方法もあります。
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白髪染めで黒くするときはよく考えてくさい。
白髪を黒く染めるメリットは、
- 色持ちが1番良い
- 最小限のダメージで白髪染めを続けやすい
- ダメージを感じさせない
がありますが、
次のカラーチェンジが困難になる
という大きなデメリットがあります。
白髪染めで黒く染め続けていたけど、やっぱり明るくしたいというお客様も多いですが、1回でキレイに明るくなる方はまずいません。
髪色は好みもありますし、仕事上での髪色の制限もあるかもしれないので、
- 白髪染めはしっかり染まって色持ちがいい黒がオススメ
- 伸びてきた白髪も目立つし、明るくしづらくなるから黒はオススメできない
と、どちらか一方をオススメしているわけではありません。
白髪の状態や色の好みなど、美容室でよく相談してから、どのように白髪染めしていくのか決めるべきです。
暗く(黒く)白髪染めしている方が明るくできない状態として4つのパターンがあります。もし、白髪を黒く染めようと考えているなら、必ずこの記事もご覧ください。
→『暗い白髪染めをしている方が明るくできない4パターンを完全解説』