- 2020.05.22
- 美容室での白髪染めについて
白髪染めとパーマは当日一緒にできるが注意すべきことがある
「白髪染めとパーマは一緒にできますか?」という質問を頂くことがあります。
大丈夫です。できないことはありません。
ただ、パーマのスタイルや白髪染めのご希望にもよって変わってきます。
なぜなら、ヘアカラーとパーマというのは基本的に相性が悪いのです。
美容室のメニューにおいてカットと同じくらい重要なこの2つの施術を当日一緒に行うときは注意すべきことがあります。
- 当日一緒にやるときは何を注意すべきなのか?
- なぜ白髪染めとパーマの相性は悪いのか?
を紹介していきます。
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美容室で白髪染めとパーマを当日一緒にやりたい方へ
白髪は伸びてくるので定期的に白髪染めする必要がありますが、パーマは白髪染めの頻度と同じタイミングでする方は少ないです。
とはいえ、パーマも3ヶ月に1回、半年に1回など定期的にする方も多くいます。
美容室に白髪染めをしに行くなら、同時にパーマもお願いしたいというご希望も多いです。
ここで、1つ注意すべきことがヘアカラー(白髪染め)とパーマの相性が良くないということです。
まずは、白髪染めとパーマの両方を当日にやるときに注意すべきことを紹介します。
パーマも一緒にするときの白髪染めの注意点
「パーマと白髪染めを一緒にするときは、どっちからやるんですか?」とよく訊かれます。
必ずしもではないのですが、基本的にはパーマが先で白髪染めが後です。
流れとしては、
- カット
- パーマ
- 白髪染め
- 仕上げ
という施術工程になります。
パーマより先に白髪染めをしてしまうと、白髪染めで染めたお色が少し落ちてしまう可能性があるからです。
せっかく気になる白髪を染めたのに、パーマをすることで色落ちしてしまっては意味がありません。
それなので、パーマを先にするというのが基本となります。
ただ、これも絶対ではありません。仕上がりのヘアスタイルにもよって違います。
ご希望の仕上がりによっては、先に白髪染めからする場合もあります。
「えっ、でもそれじゃパーマで色落ちしちゃうんじゃないの?」と思われるでしょう。
大丈夫な場合を紹介します。
白髪染めから先にやってパーマを後にするパターン
少し条件があります。
- 白髪染めはリタッチのみ(根元染め)
- 髪の長さが肩下の方(スタイルにもよる)
- パーマスタイルのご希望が毛先の動きのみ
という場合は、髪の状態を見て先に白髪染めからすることがあります。
パーマ施術による毛先部分の色落ちは多少あります。
画像左側の肩下まで髪の長さがありパーマも毛先のみの場合は、先に白髪染めのリタッチをすることもあります。
なぜなら、白髪染めのリタッチとは伸びてきた根元のみを染める施術で毛先まで染めません。
そして、パーマが毛先のみならパーマ液をつけるのも毛先のみで、白髪染めした根元にはパーマ液がつくことはないからです。
パーマ液が付くことがなければ白髪染めの色落ちの心配はありません。
ただ、毛先の染まっている部分が多少色落ちすることがあります。とはいえ、そこまで気になる色落ち具合でもありません(個人差あります)
先に白髪染めのリタッチからしてその後にパーマをした場合は、次回の白髪染めの時に全体染めを考えてもいいでしょう。
基本的には先にパーマをして後から白髪染めするパターン
当日一緒にやる場合はこれが基本となります。
ただ、これも出来ればですが1つ条件があります。
- 白髪染めはリタッチ(根元染め)
という1つです。
なぜなら、パーマの後にヘアカラーをするとパーマのカールやウェーブが弱くなる可能性があるからです。
そのため、毛先まで染めていく全体染めは不向きとなります。根元染めのリタッチならパーマに及ぼす影響が少なくなります。
パーマと全体染めを同時にするときは、
- パーマが弱くならないようなカラー施術
- あらかじめ予測して、はじめのパーマを少し強めにする
などの工夫はしますが、絶対にパーマが弱くなることがないというわけではありません。
パーマが弱くならないようなカラー施術は、ご希望の仕上がりによってはお勧めできません。
また、パーマを強めにかけておくにしても、必ずしも計算通りにいかないこともあるので難しいです。
ご来店当日にパーマと白髪染めを一緒にやるときは、
- 先にパーマをする
- 次に根元の白髪染めをする
が基本です。
ただ、これも先に白髪染めをするときと同じで、毛先の色落ちが多少あるため次回の白髪染めの時に全体染めを考えてもいいでしょう。
このように、
- 先にパーマで後に白髪染め
- 先に白髪染めで後にパーマ
のどちらの流れで施術しても、少しはお互いに影響を及ぼす可能性があるのです。
だから、パーマとヘアカラーは当日一緒にやらずに、日を分けた方が良いと言われることがあるのです。
でも、いちいち別日を設けて白髪染めとパーマを分けてやるのは、お客様からしたら正直面倒なことかと思います。
だから、当日同時施術でも大丈夫です。ただ、担当美容師とよく相談することをお勧めします。できない場合もありますので。
そもそもなんで白髪染めはパーマで色落ちするの?
同じ日にパーマと一緒に施術しても影響がない白髪染めはないの?
というような疑問が出てくると思うので、わかりやすく解説していきます。
白髪染めとパーマを一緒にやらない方がいい理由
やってもいいのですが、あまりお勧めされない理由があります。
それが先ほど紹介した
- パーマ液による白髪染めの色落ちへの影響
- 白髪染めによりパーマが弱くなるという影響
これがお勧めされない理由です。
なぜパーマ液で白髪染めが色落ちするのか?
それは白髪染めの髪が染まる仕組みとパーマがかかる仕組みが関係してきます。
わかりやすく説明すると、
- 白髪染めで髪が染まる仕組みで重要な「酸化」
- パーマでカールやウェーブを作る仕組みで重要な「還元」
この2つが正反対の作用をするためなのです。
白髪染めにおける酸化作用は、髪の内部で染料を発色させ定着させる役割をしています(しっかり染めて色持ち良く)
パーマにおける還元作用というのは、カールやウェーブなどの形状を髪に覚えさせる前に元々の髪の結合を切るという役割をしています(「切って繋げる」の切る作用)
白髪染めしている髪にパーマ液が付着浸透すると「還元」が髪に作用します。
そして、酸化して発色している白髪染めの染料を壊してしまうのです。
また、パーマ液の浸透した髪はキューティクルが開き、開いたキューティクルから白髪染めの染料が流出しやすくなるのです。
「パーマの還元」と「白髪染めの酸化」は、はじめから仲が悪いのです。自分たちの効果を発揮しようとするので仲良くしようがないのです。
ただ、パーマも還元の後に酸化もします。白髪染めと同じ酸化作用です。
そのため、完全に色落ちするわけでもないのです。使用するパーマ液のタイプで少し差があります。
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なぜ白髪染めでパーマが弱くなることがあるのか?
一般的によく使われる白髪染めには「アルカリ剤」が含まれています。
白髪染めの染料を髪内部へ届けるために、このアルカリが髪表面のキューティクルを開きます。
アルカリ剤が含まれていることで、
- 白髪染めでも明るく染めれる
- 色持ちの良い白髪染めができる
わけです。大切な役割です。
しかし、パーマをかけたばかりの髪の毛はまだ少し不安定な状態のため、アルカリが作用するとパーマが弱くなりやすいのです。
そのため、パーマのカールやウェーブに影響が出づらい根元の白髪だけを染めるリタッチでないと、同時施術が難しいのです。
このようにパーマ液も白髪染めヘアカラー剤も、それぞれ重要な役割を果たすための成分が含まれているのですが、お互いに影響を及ぼしてしまいます。
- 薬剤選定で色落ちしづらいパーマ液を選ぶ
- パーマ液の塗布量と放置時間に注意する
- アルカリの弱い白髪染めを選ぶ
- 処理剤で髪の状態を整える
などの施術を工夫することで、影響が出るのを最小限に抑えることもできなくはないのですが、ご希望の仕上がりや髪の状態によってはうまくいきません。
どうしても、カラーとパーマの同時施術は全く影響が出ないともいえないのです。
ただ、パーマと白髪染めを同時にやっても大丈夫なヘアスタイルもあります。
パーマと白髪染めの同時施術が可能な場合とは?
- パーマのご希望が強め
- ヘアマニキュアやヘナでの白髪染め
という施術で可能なご希望のヘアスタイルの場合です。
パーマは強めのウェーブであれば、気になるほどの影響は出づらいです。毛先のワンカールや柔らかいウェーブなどは弱めのパーマスタイルと考えてください。
また、アルカリを含まないヘアカラー剤であれば、髪への負担を掛けずに白髪染めができます。
ただ、ヘアマニキュアやヘナでの白髪染めは「できること・できないこと」があり、ご希望の仕上がりによってはお勧めできません。
そのため、この条件でパーマと白髪染めの同時施術をできる方は少ないといえます。
ヘナやヘアマニキュでの白髪染めは髪と頭皮の負担はありませんが、仕上がりに制限があったり、その後の白髪染めに大きな影響が出るので、メリットデメリットだけは知っておいてください。
白髪染めもパーマも同じ日にしたい場合は美容室でよく相談しましょう。
基本的にお勧めなのは、
- 先にカットとパーマをする日
- 1週間後くらいに白髪染めをする日
と2回に分けることです。
仕上がり、髪への負担などを考えるとこれが1番無理がないです。
とはいえ、時間もないし面倒臭いということもあるので、当日一緒にするときは
- 先にパーマをかける
- 次に白髪染めのリタッチをする
という施術工程がお勧めです。
定期的な白髪染めをしている方にとって1番気になる伸びてきた根元の白髪だけを染める。
パーマと同時施術をするなら、根元染めのリタッチだけするのが1番仕上がりに影響が出づらいです。
美容室でパーマと白髪染めを当日一緒にする場合は、髪の状態によっても可能かどうか変わってきますので、まずは担当美容師と相談してみることが大切です。