- 2020.02.27
- 白髪染めヘアカラー剤のこと
白髪がキレイに染まらないのは白髪染めのことを理解できていないのかも
白髪染めで白髪をキレイに染めるための大切な1つとして「白髪染めヘアカラー剤の選択」があります。
- 明るくなり過ぎちゃう
- 暗くなり過ぎちゃう
- すぐに色落ちしちゃう
このような場合、原因として考えられるのが「選ぶ白髪染めを間違っている」ということが1つです。
美容室で使用する白髪染めヘアカラー剤はたくさんのメーカーから製造販売されています。
「白髪染めはどれも同じ。大して違いはない」
なんてことはありません。
同じ明るさ、同じ色味のヘアカラー剤でも、メーカーが変わると仕上がりにも違いがあります。
ここでは、美容師(僕)がサロンで使う白髪染めヘアカラー剤を導入するときに重要視する1つを説明します。
この記事で出てくる白髪染めは、美容室で(ホームカラーでも)1番使われる酸化染毛剤というヘアカラー剤です。詳しくは、こちらをご覧ください。
→『白髪染めで最も使われるアルカリ性酸化染毛剤のすべてを解説』
【白髪がうまく染まらないとお悩みの方へ】
いつも白髪が染まってくれない…という方もいます。原因を知って対策することでキレイに仕上げることができます。
白髪染めヘアカラー剤の特性を知ることがまずは大事
美容師がお客様の白髪のお悩みを解決するには、技術が絶対に必要となります。
その技術を提供するときに必ず必要となるのがヘアカラー剤です。
そして、美容師は自分が使用するヘアカラー剤の特性を理解せずに技術に組み込むことはできません。
美容師ではない方にもっとわかりやすくお伝えすると、
例えば、同じ食材でも食感の違い、味の違い、見た目の違い…それぞれに違った特性があったり、どのような料理で使うのがその食材を最大限生かせるかは、やはり食材のもつ特性を理解していないと生かせない。
というようなことです。
白髪染めにおいて、使用する白髪染めヘアカラー剤をしっかり理解することが絶対なんです。
ヘアカラー剤のことを知らずに、お客様の白髪の状態やご希望に合った白髪染めヘアカラー剤を選択し、うまく調合することはできないのです。
美容師(僕)が白髪をキレイに染めるために重要視している「ブラウン(染料)」のことを紹介します。
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白髪を染めるための染料であるブラウンがどのくらい発色するか?
白髪染めヘアカラー剤には、白髪をしっかりと染めていくための染料が配合されています。
「ブラウン」です。
どのメーカーの白髪染めヘアカラー剤にも含まれています。
真っ白な状態の白髪とその真逆の黒髪を同じ仕上がりにするには、白髪を黒髪に近づける必要があります。
その逆で、黒髪を明るくして白髪の色に近づけることでも、同じ仕上がりを目指せます。とはいえ、黒髪を白髪と同じように白色にするということは、実際はほぼないことなので、白髪染めヘアカラー剤には必ずといっていいほどブラウンが含まれています。
このブラウンが白髪を染める上で重要となります。
ブラウンの発色にどんな特性があるのかチェック
このブラウン(染料)がどんな発色を見せるのか?
- ブラウンといっても微妙に色味の差がある
- ブラウンの濃さ(白髪の染まり具合)の違い
同じ明るさ、同じ色味のヘアカラー剤でもメーカーによって微妙な違いがあります。
これをチェックする方法は1つ。
実際に白髪で発色の具合をチェックします。
※メーカーさんが作った見本(カラーチャート/下記画像)もありますが、やはり発色具合は自分の目で確かめたいので、いきなりお客様の白髪染めで使うことはしません。
白髪染めヘアカラー剤によるブラウンの違いをチェックしていきます。
メーカーの違いによる白髪へのブラウンの発色具合
例えば、3社のメーカーさんから出ている白髪染めヘアカラー剤を用意。同じトーン、同じ色のものをチェックします。
ヘアカラー剤の同じトーン(明度)とは?
染めた後の仕上がりの明るさをを示すものです。
髪の明度(明るさの度合い)の変化は、わかりやすく段階的にレベルで示され、数字が小さいと暗く、数字が大きいと明るいとなります。
下の画像を見てください。
ヘアカラー剤の同じ色とは?
ヘアカラー剤でいうと、ナチュラルブラウン、レッド、オレンジ、アッシュ…などの色を示すものです。
各メーカーによってヘアカラー剤への表示に違いはありますが、例えば9NBなら明度9レベルのナチュラルブラウンやニュートラルブラウン。9GBなら明度9レベルのゴールドブラウンといったものです。
ということで、明るさも色も同じ白髪染めヘアカラー剤を3つ用意します。
9レベルのブラウンでメーカーによる発色の違いを見てみる
わかりやすいようにA社B社C社の3社の9レベルのナチュラルブラウンで試していきます。ヘアカラー剤を塗布して、同じ環境下で20分間放置してチェックします。
チェックする部分は、仕上がりの明度(明るさ)と色合いです。
下記画像を見てみてください。
見てわかると思いますが、同じ9レベルの明るさで同じナチュラルブラウンという色でも、メーカーが変わると発色(仕上がり)の具合が違ってきます。
3つとも白髪にしっかり発色していますが、それぞれに特性が見られます。
- Aは、少し黄色味を感じるブラウンに見えます
- Bは、赤味を感じるブラウンに見えます
- Cは、赤味が抑えられたブラウンで薄い染まり具合に見えます
違うんです。微妙な違いと思うかもしれませんが、この違いを知らずに他ヘアカラー剤と調合をすることはできません。
どれが正解で不正解というものではなく、美容師として自分が白髪染めで使用するにあたり、求める仕上がりを実現しやすいものを選ぶわけです。
白髪染めに含まれるブラウンを生かして、白髪染め以外の施術で使うときもあります。
同じメーカーでもシリーズや色でも仕上がり具合に差が出る
今度は、同じメーカーの白髪染めヘアカラー剤で同じトーン(明度)で違う色でチェックしてみます。
下の画像は、同じ明るさのゴールドとアッシュの白髪染めです。
違います。全然違います。ゴールドは色相でいっても明るい色なので、同じトーンのヘアカラー剤でもアッシュに比べると明るくなります。
アッシュは色相でいうと灰色でくすんだ色なので、右のゴールドと同じトーンでも暗くなります。
色の違いだけでも仕上がりの明るさが変わってきます。
次に、同じメーカーの白髪染めでもいくつかシリーズがあったりするので、例えばAシリーズのアッシュとBシリーズのアッシュで比べてみます。どちらも同じトーン(明るさ)のものでチェックします。
どちらも赤味のないくすんだ仕上がりではありますが、Aは柔らかい仕上がりでBより明るく見えます。BはAより灰色が濃くよりアッシュ感が強く少し暗く見えます。
どちらも同じメーカーであり、同じトーン(明るさ)で同じアッシュの白髪染めですが、シリーズが違うと発色の具合も変わってきます。
これに関しても、どちらが正解で不正解というものはありません。
使用する美容師が求める発色をしていれば、それがその美容師の正解となるので。
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このようなことをチェックして美容師としての自分が使うものを選んでいるというお話でした。
ここで、例としている白髪染めはほんのわずかであり、各メーカーから明るさも色も幅広く作られていて、すごい数のヘアカラー剤があります。
白髪染めでキレイな仕上がりにするには、ヘアカラー剤の理解も大切ですが、白髪のことも理解しておく必要があります。
自分が使用する白髪染めのことを深く知ることが、白髪をキレイに染める第一歩
白髪染めヘアカラー剤には、たくさんの種類があり、メーカーによっても仕上がりに違いがあることもわかったかと思います。
白髪は、もとから色の無い状態なので幅広い色を仕上がりで表現できます。
しかし、実際に白髪染めをするとなると、白髪より黒髪の方が多いという方やその逆で白髪の方が多いという方もいます。
白と黒という真逆の髪色を同時に染めて、同じような仕上がりにするには白髪染めヘアカラー剤の持つ特性を理解していないと出来ないことなんです。
今は、ヘアカラー剤も進歩してきて、複数のヘアカラー剤を混ぜ合わせ(調合し)なくても、それなりにキレイに仕上げることが出来るようになりました。
しかし、髪の状態、白髪の量や生えている場所などは個人差があり、必ずしもメーカーさんの見本(カラーチャート)通りの仕上がりになるわけでもありません。
(メーカーさんが悪いという話ではありません)
というか、見本通りより暗めに仕上がる感じがしています。
そのせいかわかりませんが、
- 白髪染めで暗くなってしまった。
- 思ったより暗い…
- 明るくならない…
などのお悩みをよく聞きます。
白髪染めでも暗くはしたくない。明るめに仕上げたい。というご希望が多いのですが、そのご希望に応えていくためには、どうしても複数混ぜ合わせたり、塗る場所ごとでヘアカラー剤を変えたりする技術が必要になってきます。
そして、その技術を提供する上で白髪染めヘアカラー剤の持つ特性を理解しておくことが重要となります。
ご自宅でホームカラーを使って白髪染めをする方は、こういった特性を知らなくても当然のことではありますが、白髪を思った通りに仕上げることは簡単なことではありません。
まずは、白髪染めの種類を知ることも大切です。
→『白髪染めヘアカラーの種類を全部紹介!出来ること出来ないことが必ずある』