- 2020.03.18
- ご自宅での白髪染めについて
「白髪染めトリートメントとは?」オススメの方や色の選び方、含まれる染料を詳しく解説
ここ数年で白髪を染めるということにおいて、一気に使う方が増えてきたのが白髪染めトリートメントです。
最近使い始めた方、もう何年も使っているという方、これから使ってみたい方、白髪染めトリートメントのことを詳しく解説していきます。
- 自宅で手軽に使える
- 難しいテクニックはいらない
- 髪と頭皮に優しい
- 経済的
というイメージを持たれている方が多い白髪染めトリートメント。
なぜ、このようなイメージがあるのか?本当にそうなのか?考え方にもよりますが、美容室でも白髪染めをしている方にも知っておいて欲しいことがあります。
この記事をご覧になることで、
- オススメできる方できない方
- 白髪を染めた仕上がりの感じ
- 使われている染料と注意点
- キレイに仕上げるための選び方のコツ
など、白髪染めトリートメントの(ほぼ)すべてを理解することができます。
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白髪染めトリートメントとは?
塩基性染料、HC染料といった化学染料を配合したしたトリートメントであり、化粧品に分類されています。
「白髪染めトリートメント」や「白髪カラートリートメント」と呼ばれているので、白髪染め(ヘアカラー剤)と勘違いしやすいですが、あくまでもトリートメントです。
白髪染めトリートメントと同じ感覚で自宅で手軽に白髪染めできる『白髪染めシャンプー』のことを知りたい方は、こちらをご覧ください。
白髪染めトリートメントを使って白髪を染めることがオススメの方
- 仕上がりよりも髪と頭皮に優しいもので白髪を染めたい
- ヘアカラー剤にアレルギーがある方
- 明るく染まらなくてもいい
- 白髪の量が黒髪より多い方
- ご自身で染めること面倒に思わない方
白髪染めでの仕上がりよりも、お肌に優しく髪に負担(ダメージ)がないことが1番大事という方
白髪染めトリートメントは、黒髪を明るくする脱色作用がありません。それゆえ、髪に負担をかけることはありません。一般的な白髪染め(アルカリ性酸化染毛剤)との大きな違いの1つです。
「黒髪を明るくすることができない」ということは、白髪の量や生え方、使う白髪染めトリートメントの色によっては、均一でキレイな仕上がりにはならないということなんです。
白髪と黒髪は真逆の色を持つ髪であり、黒髪は明るくできないので色はほぼ変わりません。しかし、白髪はすでに明るい状態なので、色が付くと変化します。
白髪染めトリートメントは、ヘアマニキュア同様で髪の表面をコーティングするように染まるので、わかりやすくイメージしてもらうと、髪の上から色の付いたセロハンを被せた感じです。
黒髪の方が多い方は、暗めの白髪染めトリートメントを選ばないとキレイな仕上がりとはいえません。仕上がりの好みもありますが。
街中などでも見かけることもあるかもしれませんが、全体は暗いのに明るい茶色の髪がチラチラと見える仕上がりの方。これがダメというわけではありませんが、白髪染めをしている方の多くが好まない仕上がりです。
「白・髪・染・め」という感じが強く出てしまうイメージです。
これが白髪染めトリートメントでの仕上がりです。
白髪の量が多い比較的年代が上の方々なら、仕上がりもある程度均一に仕上がりますが、黒髪が多い場合はキレイな仕上がりにはなりづらいです。
それなので、白髪を染める時の優先順位の1番が「髪と頭皮に負担がなく、自宅で使える白髪染め」となります。
仕上がりのキレイさを優先するなら、一般的に最も多く使われるアルカリ性酸化染毛剤での白髪染めという選択肢になります。
ただ、酸化染毛剤でのジアミンアレルギーがある方は使えません。アレルギーの詳細はこちらをご覧ください。
→『白髪染めヘアカラー剤でのかぶれやアレルギーが起きる原因をどこよりもわかりやすく解説』
白髪染めトリートメントは、アレルギーが出づらいので比較的安心して使えます。(100%安心というわけではありませんので、初めて使うときはパッチテストをしてください)
自宅でご自身で染めることが苦にならない方にはオススメ
白髪染めトリートメントは、あくまでトリートメントでありシャンプーするたびに色が薄くなっていきます。色持ちが悪いのです。
色持ちが悪いため、ある程度キレイな状態をキープしようと考えると、3〜4日に1回は使ってないとキープしづらいといえます。
手軽に使えるとはいえ、結構面倒に感じる方が多いのも事実です。
ただ、髪と頭皮へ負担がないため頻繁に使うことはできます。
負担がないから頻繁に使える。頻繁に使わないとキレイな状態をキープしづらい。これを経済的と考えれるかどうかは、使い方次第でもあり個人差があります。
僕の担当するお客様で使っていた方が言っていました。
(あくまでこのお客様の主観です)
色持ちが悪いから頻繁に使う必要があるし、しっかり染まりづらいから塗った後にも長い時間置く必要だし、色移りするから頭を拭くタオルには気を付けないとで何かと面倒…
頻繁に使っていると結局量も沢山使うから、1本では1ヶ月持たないこともあり経済的でもなかった…
確かに美容室で白髪染めするよりコスパはいいけど、仕上がりと手間を考えると微妙なところなんですよね〜
とのことでした。これは、自宅で白髪染めトリートメントだけで白髪をずっと染め続けようと考えるとそうかなのかもしれません。
あくまで、美容室での白髪染めの間に補助的に(つなぎで)使うくらいが、気になる白髪をボカせて経済的といえるのかもしれません。
ただ、美容室の白髪染めとの併用は注意も必要です。
白髪染めトリートメントを使って白髪を染めることをオススメできない方
- 明るくキレイな仕上がりにしたい方
- 黒髪が多く白髪が少ない方
- 美容室で定期的に染めている方
美容室で定期的に明るめに白髪染めしている方でキレイな状態をキープしたい方は使わない方がいい
先に紹介した「髪と頭皮に優しく、髪表面をコーティングするように染まる」というオススメポイントが、明るめの白髪染めをしている方にはデメリットとなります。
美容室で定期的に白髪染めをしていても、伸びてきた根元の白髪を気にする方はとても多いです。そして、次の美容室での白髪染めまでの間に白髪染めトリートメントを使うことを考える方もいます。
しかし、これはオススメできません。
白髪染めトリートメントは、黒髪を明るくする脱色作用がないので、染まり方としては暗くしていくことしかできません。
髪表面をコーティングし、暗くしていく白髪染めトリートメントを使いすぎると、美容室で白髪を明るくキレイに染めづらくなるのです。詳しくはこちらをご覧ください。
→『美容室での白髪染めと自宅での白髪染めトリートメントを併用するときに知っておいてほしい事』
美容室で白髪染めを続けていく方は、必ず担当美容師と相談してください。
オススメできるポイントとオススメできないポイントがあり、出来ること出来ないことがある白髪染めトリートメントですが、そもそもどういった成分でどんなものなのかというと…
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白髪染めトリートメントは化粧品に分類されるから安全!?
美容室の白髪染めで最も使われる酸化染毛剤は「医薬部外品」になりますが、白髪染めトリートメントは「化粧品」となります。
髪(白髪)を染める(色を付ける)ものには「医薬部外品」と「化粧品」に分類されます。
白髪染めトリートメントをヘアカラーという観点で見ると、
- 化粧品なので髪とお肌に優しい
- 化粧品なので白髪はしっかりとは染まらない
- 化粧品なので自宅でも簡単に扱える
というものであり、色持ち良くしっかりと髪(白髪)を染めることが目的の商品ではありません。
化粧品に分類される「塩基性染料・HC染料」を配合したトリートメント
白髪染めトリートメントはヘアカラー剤ではなく、染料含んだトリートメントです。
トリートメントだから使用後の髪の質感がUPするわけで、一般的な白髪染めと染料が違うという理由で髪がサラサラになるわけではありません。
染料の違いは「毛髪(白髪)の染まり方」の違いです。
髪に負担をかけない白髪染めトリートメントは、この2つの染料が白髪を染めてくれます。
塩基性染料とHC染料は、化粧品規制緩和によって化粧品への配合が可能になった新規染料です。
白髪染めトリートメントで白髪に色を付ける主となる塩基性染料とは?
白髪染めトリートメントのメインの染料で、ヘアマニキュアと同じく毛髪表面で染着します。
一般的な白髪染めである酸化染毛剤に含まれる酸化染料と違い、分子が大きく毛髪内部に浸透することはできません。(ヘアマニキュアも分子が大きい)
また、元からすでに発色した状態の染料なので、酸化反応といった化学反応を必要とせずに髪を染めることができます。
ヘアマニキュアの酸性染料と似ているようで、大きく違うのがプラスイオンの電荷を持っているのが塩基性染料です。
ヘアマニキュアはマイナスイオンの電荷のため、皮膚表面とイオン結合しやすくお肌に付くと中々落ちませんが、塩基性染料は皮膚表面とイオン結合しづらくお肌に付いても落としやすいのです。
ただ、同じく分子が大きいため毛髪内部には浸透せず、色持ちも良くないといえます。
塩基性染料のプラスイオンは、マイナスイオンと結合しやすいので、白髪を染めたときに髪の部分によって染まり具合に差が出やすいともいえます。
というのは、健康な髪はプラスイオンとマイナスイオンが均等ですが、カラーやパーマなどの繰り返しで傷んでいる毛先などは、マイナスイオンに傾いています。
そのため、プラスイオンの塩基性染料は、マイナスイオンに傾いている傷んだ髪には染まりやすいのです。
どういうことかというと、
白髪染めをしている方の場合、1番気になるのが伸びてきた根元の白髪なのですが、実は(傷んだ部分と比べた時)根元が1番染まりづらいといえる部分なのです。
- 分子が大きく髪の中までは入らない(色持ちが悪い)
- プラスイオンでお肌に付きづらい(地肌が染まりづらい)
- 傷んだ部分は染まりやすく、新しく伸びてきた根元は染まりづらい
白髪染めトリートメントで毛髪内部に浸透するHC染料とは?
塩基性染料より分子が小さく、毛髪内部に浸透して染着してくれるのがHC染料の特徴です。
また、HC染料はプラスマイナスどちらの電荷も持たないためイオン結合での染着はしないので、すでに発色した状態の染料が毛髪内部に浸透して染まります。
一般的な白髪染である酸化染毛剤に含まれる酸化染料と同じく内部に浸透はしますが、化学反応を起こさず分子は小さいまま変わらないので、毛髪外部へ流出しやすいのも特徴です。
(酸化染料は、酸化反応により分子が大きくなり定着します)
染まるけど色が抜けるのも早いのです。
ただ、分子が大きく髪表面で染着する塩基性染料のデメリットをカバーするために、分子の小さいHC染料が配合されているのです。
- 分子が小さく髪の中に入るが化学反応をせずに小さいまま(色抜けが早い)
- 塩基性染料のデメリットをカバーする役割
- 地肌に付いても比較的落としやすい(薄っすら付く)
白髪染めトリートメントに含まれる染料は、
- 脱色作用がないため黒髪を明るくすることはできないけど、その分髪のダメージはない
- お肌に付いても取れやすいけど、手袋をして使うべき
- しっかり染まらず色持ちも良くない
- 100%安全というわけではない
簡単に考えるとヘアマニキュアと同じような染まり方をする白髪染めトリートメントですが、ヘアマニキュアより染まりは悪いです。
残念ながら広告で見るような染まり具合を実現するには、使い方が重要となります。はじめて使った方は「全然染まらない…」と感じるかもしれません。
髪と頭皮に優しい良い商品ではあるのですが、白髪の染まり具合に良い結果を求めて使うものではないかと思います。
「トリートメントで髪に潤いを与えながら、白髪もボカせる」くらいに思って使うのがいいと思います。
気になる色持ちをUPさせるのであれば、洗浄力がマイルドなアミノ酸系シャンプーがオススメです。
また、塩基性染料もHC染料も化粧品に分類されるため安全性が高いと考えがちですが、必ずしもアレルギーが起きないという保証がされているわけではありません。
ジアミンと同じく化学染料ですので、アレルギーが起きないともいえないのです。ただ、白髪染めにおいて酸化染毛剤と比べると、刺激もなく比較的安全なものといわれています。
あくまでトリートメントですから。
とはいえ、素手で塗ると結構手にも色が付きますし、1回でキレイには落ちませんので必ず手袋をして塗るべきです。
3〜4分くらい塗る作業でこれです。ヘアマニキュアほどではないですが、手にも付きます。
また、色抜けしやすいので白髪染めトリートメントを使っている間は、白いタオルを使うのは控えてください。
濡れたままでいると色移りしやすいので、必ず乾かすようにしてください。濡れたままで白い壁やソファーに寄りかかると色が移ります。
白髪を染めて全体を均一に仕上げたい時の正しい白髪染めトリートメントの選び方
黒髪を明るくすることができない白髪染めトリートメントですから、白髪と黒髪の量が仕上がりに大きく関係すると、この記事の前半部分で紹介しました。
上のような白髪部分だけが浮いて見えないような仕上がりにするには、1番暗い色を選ぶことが重要です。
明るい色を選ぶと上の画像のように白髪だけが明るく仕上がってしまうのです。
明るい色を使ってキレイに均一に仕上がるのは、白髪の量が多い方になります。
左の白髪率10%と30%では、白髪がどうしてもキラキラと目立つ仕上がりになります。白髪率50%以上になってくると、全体が明るく均一な仕上がりになっていきます。
明るめが好みの方でも、白髪が少ない方だと染め上がりは白髪が目立ちやすいので、キレイな仕上がりを優先するなら暗めを選びましょう。
白髪染めトリートメント選びで大事なことは
- 白髪の量が少ないうちは暗めを選ぶ
- 白髪の量が多い方は明るめでも暗めでも、好みの方を選べばよい
これが仕上がりが均一になる選び方です。
【白髪染めトリートメントとは?】のまとめ
【白髪染めトリートメントがオススメできる方】
- 仕上がりよりも髪と頭皮に優しいもので白髪を染めたい
- 酸化染毛剤(ジアミン)にアレルギーがある方
- 明るく染まらなくてもいい
- ご自身で染めること面倒に思わない方
【白髪染めトリートメントがオススメできない方】
- 黒髪が多く全体を明るくキレイな仕上がりにしたい方
- 美容室で定期的に白髪染めしている方
- 白髪の染まり具合や色持ちを気にする方
【白髪染めトリートメントの染料と注意点】
- 分子が大きく毛髪表面で染まる塩基性染料
- 毛髪内部に浸透するHC染料は塩基性染料のカバー役
- ダメージはないが色抜けが早い
- 色移りしやすいので注意が必要
- 塗るときは手袋が必要
- 他白髪染めヘアカラー剤と相性が悪い
【白髪染めトリートメント選びのコツ】
- 白髪の量が少ないうちは暗めを選ぶ
- 白髪の量が多い方は明るめでも暗めでも、好みの方を選べばよい
【白髪染めトリートメントの詳しい使い方】
白髪染めトリートメントは、自宅でご自身で使うものですから、特性や注意すべきことだけは事前に理解しておくことが大切です。
また、美容室で定期的に白髪染めをしている方は、担当美容師と相談してから使うことをお勧めします。