- 2020.05.05
- ヘアケア
ヘアトリートメントの目的は髪のケア。理解せずに使っても効果は薄い…
「白髪染めトリートメント」で白髪染めをする方は増えてきています。
ただ、美容師としての考えは白髪染めトリートメントの使い方を間違えていると思っています。
トリートメントの目的は「ヘアケア」です。髪の補修や質感UPが本来の目的です。
トリートメント本来の目的を忘れて、間違った使い方をし続けることはオススメできません。
もう1度トリートメント本来の目的と作用を理解し、正しい使い方でキレイな髪をキープしてほしいと思います。
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ヘアトリートメントの目的は髪をケアすること
髪の毛は、常にダメージを受けやすい環境にさらされています。
- 外気や紫外線
- ドライヤーの熱
- 睡眠中や日常生活での摩擦
- 定期的な白髪染めやパーマなどの化学的ダメージ
他にも個人差ありますが、プールの塩素やカールアイロンなどによるダメージなど、普通に意識せずにいても何かしらの影響を受けています。
美容室でヘアカラーやパーマなどを一切していないのであれば、薬剤による化学的ダメージはありません。
しかし、ヘアカラーをしていなくても表面の髪や毛先は放っておいても茶色く変化していきます。
それは紫外線など日常生活で受けている影響なのです。
意識がないだけで髪の毛は常に何かしらの影響を受けているものです。
それにヘアカラーやパーマも一切していないという方も少ないです。
だから「トリートメントでのケア」が大切になってきます。
ヘアトリートメントは髪をキレイに見せるだけではありません
トリートメントをした髪は、
- ツヤが出る
- しっとりして収まりが良くなる
- サラサラになって絡まりが起きなくなる
- ヘアカラーの仕上がりがよりキレイになる
- パーマスタイルが扱いやすくなる
など、使用するトリートメントによっても効果は違いますが、髪をキレイに見せるだけでなく、扱いやすい髪になることで日々のスタイリングやヘアセットが楽になります。
髪の傷みが目立ってくるとキレイに見えないことはもちろんですが、毎日のお手入れも手間が掛かるようになってきます。
日々の「ストレス」の原因にもなります。
ヘアトリートメントでダメージ補修をすることで、こういった日々のストレス軽減にもつながります。
定期的なヘアカラーやパーマをする方にはトリートメントが本当に大切となる
トリートメントは髪を補修してくれます。
傷んで失った髪に必要な栄養を補い、髪表面のバリア機能であるキューティクルの損傷も防いでくれます。
定期的なトリートメントは髪の健康維持に欠かせないのです。
髪には限界があります。何回でも、どんな強い薬剤でも自由に施術していくということは不可能なんです。
- 傷みが目立つ髪にパーマはオススメできません
- 傷みが目立つ髪は色落ちも早くなります
となります。
こんな経験ありませんか?
- パーマをかけたら余計扱いづらくなった…
- ハイライトを入れ続けていたら色持ちが悪くなった…
- ストレートパーマをしたのに広がる…
やりたくて美容師にお願いしてやってもらったけど良い結果にならなかった…ということ。
必ずしも髪のダメージが原因というわけではありませんが、パーマやカラーをするには髪の状態が悪かったのかもしれません。
状態の悪い髪に化学的施術(カラーやパーマ)をしていき、満足のいく仕上がりにすることは簡単ではありません。
知識や経験、技術も必要となりますし、髪の状態によってはお客様のご希望であっても違う提案をすることも考えられます。
カラーやパーマといった施術で「髪の負担がゼロ」なんてことはありません。
薬剤の強さを調節したり、ベストな工程を考えたりして極力負担を抑えて施術していきますが、まったくダメージを出さずに仕上げることはできないのです。
美容室で仕上がった瞬間は、ケア剤やスタイリング剤によって見た目や質感は向上しますが、日常生活を送るうちにダメージに気付くはずです。
カラーやパーマをする前の髪の状態がスタイルの仕上がりに大きく影響してくるんです。
『扱いやすくするためにかけたパーマで余計に扱いづらくなる』
これはパーマのカールやウェーブよりもダメージの方が目立ってしまったからです。
日頃から髪のケアをしておくことは「希望のスタイルにするため」に大切なことなんです。
傷んだ髪は放っておいても元には戻りませんから。
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髪の毛自体に修復機能はありません
たまにお客様に言われることで、
- ワカメ食べてるからか髪にツヤが出てきた
- 最近は睡眠時間を取れてるから髪が調子がいい
このようなことで、すでに生えて伸びている髪が修復されることは絶対にありません。
ご自宅でお使いのシャンプーやトリートメント、ヘアオイルやドライヤーでの乾かし方などが影響して感じることかと思います。
確かにバランスの良い食事や睡眠時間というのは、健康な髪を育むのには大切なことです。生活習慣で頭皮環境も変わってきますから、これから生えてくる髪には影響してきます。
しかし、すでに生えている髪に体内から栄養を送って修復させることはできません。髪の毛には血管も神経も無いですから、内側(体内)から栄養を取り込むことはできないのです。
トリートメントで「外から」しか髪に栄養(水分など)を入れることはできません。
髪の毛は、人間の細胞で考えると自己修復機能を持たない死んでいる細胞です。
お肌は角質で守られ、傷ついた角質は新しいものへと再生を繰り返しています。
髪の毛は、毛穴から出てきた時からすでに死んでいる髪と考えてください。ヘアカラーやパーマでダメージを負っても、髪の毛自体が自力で修復をしていくことはありません。
傷んで収まりの悪くなった髪を元に戻したいと考えて、髪に良いといわれる食事や睡眠時間を取っても元には戻りません。
これから生えてくる髪にしか良い効果は期待できません。
だから外から補修・補給が必要となるのです。
髪の状態は部分的にもダメージ度合いが違う
髪の毛の長さは人それぞれですが、女性であれば刈り上げでもしていない限りはある程度の長さがあります。
「髪の毛は常にダメージを受けやすい環境にさらされている」ということをはじめに紹介しました。
常に何かしらの影響を受けている髪は、時間の経過とともに伸びてきて毛先にいくほど受けてきた影響も大きいのです。
上の例は、
- 定期的なヘアカラーもしてきている
- 日常生活による影響も受けている
という、化学的ダメージと日常的ダメージで表しています。
生えてきて半年くらいまでは、そこまで負担も掛かっていなく、まだまだツヤも出やすいのです。「天使の輪」といった表現がされるくらいツヤも出る状態です。
毛先に向かうにつれてツヤも出づらくなり、パサつきや広がりが出てきやすくなります。
また、毛先は枝毛や切れ毛なども起きやすく、ロングヘアーですと絡まったりしやすくなります。
生えてきて間もない根元付近にトリートメントを付ける必要はありません。
トリートメントは傷んだ部分に浸透していきます。
- トリートメントは1番ダメージの目立つ毛先から付けます
また、表面の髪は1番外部の影響を受けやすく、内側の髪と比べるとダメージが進んでいることがほとんどです。
表面の髪ばかり明るく色落ちしやすかったり、ヘアカラーしても内側の髪は明るくなりづらかったり、パーマもかかりづらかったりということが起きやすいのです。
(ダメージ度合いによって薬剤の作用の仕方に差が出てきます)
後頭部の耳下の髪は1番ダメージがすくない場所です。表面の髪と比べても太くてしっかりとした髪で、毛量も多いことがほとんどです。
ダメージが出やすいのは表面の髪です。後頭部の内側の髪というのは、カラーやパーマの繰り返しがなければダメージが進行しづらい髪です。
- トリートメントでのケアが1番必要なのは表面の髪で、襟足などの内側の髪にたくさん付ける必要はありません
- 白髪染め後の自宅でやるべき簡単なヘアトリートメントの仕方
白髪染めトリートメントでどこの白髪を染めますか?
全体?毛先?それとも新しく伸びてきた根元の白髪ですか?
白髪染めトリートメントは、白髪染めではなくトリートメントです。
トリートメント効果のある白髪染めではなく、白髪を染めることができるトリートメントなのです。
トリートメントの目的は髪のケアです。傷んだ髪を補修したり、ダメージの進行を防ぐ目的があります。
新しく生えてきた髪はまだダメージのない健康毛です。トリートメントの必要性はありません。
新しく伸びてきた根元の白髪を染めるためにトリートメントを根元に付けるというのはトリートメント本来の目的とは違います。
白髪染めトリートメントで髪のケアをしながら白髪を染めるのであれば、
- 色落ちが目立ってきた毛先の色味の補充
- 毛先のケア
を目的に使い、根元の白髪染めを目的に使っても髪のケアにはなりません。
トリートメントだからダメージもないし、肌に優しい作りだから根元に付けても問題はあまりないといえる白髪染めトリートメントではあります。
それなので、根元の白髪を染めるために頭皮に付けても負担はないですが、ヘアケアとしての目的は果たせないと考えて使うものです。
トリートメント効果に期待するのではなく「傷まない白髪染め」と考えて使うのが良いでしょう。
白髪染めトリートメントは、ご自宅でテクニック不要で手軽に使え、頭皮の負担もないので頻繁に使うことも可能です。
すぐに伸びてきて気になる白髪ですから、頻繁に染めれるというのはメリットの1つです。
ただ、どんな白髪染めでもそうですが『メリット・デメリット』は必ずあるものです。
白髪染めトリートメントにもデメリットがあるので、そこだけは理解して使うことをお勧めします。
白髪染めトリートメントは白髪染めを目的に使うことがお勧めですが、トリートメントであるがゆえのデメリットもあります。
髪を染めることと髪をケアすることは大きく違うため、この2つの目的を一緒にした白髪染めトリートメントならではのデメリットです。
まずは「白髪染めとして」の白髪染めトリートメントがどんなものかを知っておいてほしいと思います。