- 2020.05.02
- 白髪染めのこと
「白髪染めで赤くなる…」実は黒髪の量も関係しています
白髪染めをすると「白髪染めっぽい赤」が出やすく、白髪染めをしている多くの方がこの赤味を嫌います。
どうして白髪染めをすると赤っぽくなりやすいのかというと、
- 白髪染めヘアカラー剤に含まれるブラウン染料
- 白髪より黒髪の量の方が多い
という2つの理由があります。
でも、赤味を抑えて白髪を染めていくことは可能です。白髪の量が多ければ多いほど赤味を抑えた白髪染めは簡単です。
赤っぽく仕上がる原因と赤味を出さないように白髪を染めていく方法まで紹介します。
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白髪染めの仕上がりで赤味を感じる原因
実は黒い髪の色素に赤くなりやすい原因があり、白髪と黒髪の量のバランスでも仕上がりに違いが出ます。
そして、色素を持たない白髪を染めるための白髪染めヘアカラー剤にも原因があります。
赤味を感じる原因は白髪染めヘアカラー剤に含まれる染料
白髪をしっかりと染めるためのヘアカラー剤が白髪染めです。
白髪染めヘアカラー剤は、実は黒髪に近づけていくという目的を持っています。また、黒髪を明るくしていく目的も持っています(明るくして白との差をなくそうとします)
白と黒という真逆の色ですから、均一な仕上がりにするには「白は黒に」「黒は白に」近づけていく必要があるわけです。
イメージしてもらいやすいよう極端な例で伝えています。
そして、白髪を黒髪に近づける必要がある白髪染めには『ブラウン染料』が多く配合されています。特に暗い白髪染めにブラウンは多く含まれています。
このブラウンが実は白髪染めで出やすい嫌な赤味の原因になっています。
なぜこのブラウンに赤味が含まれているかというと、日本人の黒髪に近づけるために必要だからなんです。
日本人の黒髪は黒に見えていますが、実は赤味の強い黒なんです。
上の画像は、下側が髪の明るさを表現した見本で、上側が日本人の黒髪が明るく変化していくものを現しています。
黒髪が赤味を帯びているのがわかると思います。
真っ黒から明るくしていくと徐々に赤味を感じやすくなってきます。黒は明るさが無いので赤が見えていませんが、明るさが出てくると黒髪の持つ赤がわかりやすく出てきます。
白い髪を【赤味の強い黒髪】と自然に馴染むように染めるためには、赤味を含んだブラウンである必要があるわけです(真っ赤ではありません)
そのため、白髪染めに多く含まれるブラウンは赤味を感じやすい仕上がりとなります。
黒から明るくした時に出やすい「赤味」を嫌う方が多いので、ヘアカラーではアッシュ系などのくすんだ色が人気でもあるんです。
アッシュ系カラーは、日本人の黒髪特有の赤味を抑えてやわらかい質感に仕上げやすいのです。
黒髪と白髪の量の違いも赤味を感じる仕上がりに関係する
先ほど「日本人の黒髪は赤味が強い」と紹介しましたが、その黒髪の量が多いか少ないかでも仕上がりが変わってきます。
結論から言って、白髪染めで赤味を感じやすいのは白髪より黒髪の方が多いことが原因にもなります。
白髪染めヘアカラー剤だけの問題ではないのです。
「白髪染めの仕上がりが赤くなりやすいのは、白髪染めヘアカラー剤の問題」とよく言われますが、実はこれだけが原因ではありません。
むしろ、この黒髪と白髪の量の違いの方が大きな原因です。
(※後述しますが白髪染めヘアカラー剤にも赤味が出にくいものもあります)
白髪だけを赤味を出さずに染めることは難しくはない
白髪染めヘアカラー剤で白髪を染めると赤くなる。
これはそういう仕上がりになりやすい色と明るさの白髪染めを使うからです。
赤くしない白髪染めを選べば白髪だけは赤味を抑えて染めれます。
上の画像は2つとも赤ではなく青系(アッシュ)のカラー剤で白髪を染めたものです。
おしゃれ染めの方が透明感のあるキレイな仕上がりにはなります。白髪染めにはブラウンが含まれているので少し暗いですが、くすみがかったキレイなアッシュになっています。
赤味感じますか?感じないと思います。
では、赤味が出やすい明るい白髪染めを使って白髪を染めるとどうなるかというと、
赤ではないですが、赤味は感じる仕上がりとなります。特に赤系の白髪染めを使ったわけでもなく、色はナチュラルブラウンの白髪染めです。
白髪染めの色でナチュラルブラウンやウォームブラウンなどは、白髪の染まり具合も良いのですが、自然と赤味を感じる仕上がりになります。
白髪染めでも赤味を出さずに染めることは出来るんです。
白髪だけなら。
上のお客様は全体的にほぼ白髪です。前回の白髪染めから4週間経っています。
全体的に少し褪色してきていますが、白髪染めで感じやすい赤味は出ていません。
使う白髪染めヘアカラー剤と調合の仕方次第で、白髪だけなら赤味を抑えてキレイに仕上げることはそこまで難しくありません。
とはいえ、白髪でお悩みの全ての方が上のお客様のようにほぼ全部白髪というわけではありません。黒髪と白髪が混在している方の方が多いのです。
まだまだ黒髪も多いという方もたくさんいます。
白髪染めで感じやすい赤味の原因は、実は黒髪の方にあるのです。
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黒髪を明るくしていくと赤味を感じやすくなる
真っ黒のままですとさほど赤味は感じませんが、茶髪といえるくらいの明るさになってくると赤を感じやすくなります。
(先ほどの「日本人の黒髪の明るさの変化」で紹介していますね)
白髪染めヘアカラー剤でも限度はありますが黒髪も明るくしていけます。脱色作用があるので、黒髪を明るくしつつ白髪を染めていけるのが白髪染めです。
(ファッションカラーに比べると明るくできません)
白髪染めで白髪を染めていくと同時に黒髪も明るくなるのですが、この黒髪が明るくなった時に赤茶っぽく仕上がりやすいのです。
赤味を出さない青系(アッシュ系)の白髪染めを使えば、白髪はもともと色素がないのでそのまま仕上がります。
(これも先ほど紹介しています)
しかし、黒髪は赤味の色素を持っているので白髪とは違う仕上がりになります。
アッシュ系の白髪染めで黒髪の持つ赤味を抑えようとしても、完全に抑えることができないため、白髪と同じようなアッシュの仕上がりにはなりません。
白髪染めヘアカラー剤では、黒髪の持つ赤味を抑えてキレイなアッシュにすることが難しいのです。
- 赤味が出てない仕上がりの白髪
- 赤味が出ている仕上がりの黒髪
この2つの髪の量で想像してみてください。
黒髪の方が多いと……全体的に赤味を感じやすくなります。
赤味が出てる黒髪が多ければ多いほど、白髪染めでは赤味を感じやすくなるわけです。
白髪染めにより白髪赤くなるというより、赤っぽくなった黒髪が多いから、全体の仕上がりとして赤味を感じることもあるのです。
ただ、白髪と黒髪の両方があっても赤味は抑えることができます。白髪染めヘアカラー剤の調合次第です。
白髪と黒髪の両方があって赤っぽくなってしまう方
もともと自然な赤味を感じやすいのがナチュラルブラウンです。
白髪も黒髪も両方とも赤味を帯びた仕上がりになりやすいです。とはいえ、白髪もしっかり染まりやすいのがナチュラルブラウンでもあります。
このように赤味が出やすい白髪染めを使えば、仕上がりは赤味が出やすくなります。
白髪染めのブラウン系は白髪の染まり具合がいいため、美容室でも使用されることが多く、どうしても赤味を感じる仕上がりになりやすいともいえます。
明るくなった髪を自然な黒髪に戻したい時にも、白髪染めのブラウン系はよく使われます。
毎回白髪染めのブラウンで全体染めをする方
赤っぽくなります。白髪のキラキラした感じもなくキレイには仕上がりますが。
新しく伸びてきた根元はもちろんのこと、毛先は染料がどんどん重なってより赤味が残っていきます。
この重なって残っていく赤味は簡単に消すことはできません。それが白髪染めの赤味であり、黒髪の持つ赤味です。
この赤味が好みでないのであれば、使用する白髪染めヘアカラー剤や調合を変える必要があります。
白髪染めで赤味を抑えて染め直す方法
白髪染めで赤っぽくなってしまう原因がわかれば、赤味対策をして白髪を染めていくことは可能です。
どのくらい赤味を出さない仕上がりにするかでも白髪染めの調合が変わってきます。
- 赤味のないダークブラウンにしたい
- 赤味のない明るいブラウンにしたい
- 赤味を一切感じさせないキレイなアッシュ系にしたい
- 透明感抜群の明るいアッシュにしたい
などなど、白髪染めのご希望でいろいろです。
白髪染めでも赤味を抑えてブラウンに仕上げていく場合
赤味の強い黒髪で白髪よりもまだまだ多い状態です。
すごくキレイなアッシュとかではありませんが、このくらいの自然なブラウンが好みであれば、白髪染めヘアカラー剤のブラウンにゴールドを少し加えてあげると自然になります。
白髪もしっかりと染めたいのでブラウンは必要ですが、そこにゴールドが混ざることで明るさも出て、赤味も少しやわらげることができます。
髪質によっても白髪の染まりやすさが違うので、ブラウンとゴールドの配合は人それぞれ変わってきます。
白髪染めでも赤味を抑えて明るいブラウンに仕上げていく場合
太くて硬く赤味の強い黒髪で白髪より多い状態です。
黒髪を明るくしつつ白髪も染めたいので、ゴールド系の白髪染めと赤味を抑えるための寒色系(アッシュ)を使います。
白髪染めヘアカラー剤だけでは、ここまで明るい仕上がりにはできないため、ファッションカラーもうまく調合します。
このくらいに明るさになってくると白髪の染まり具合は薄くなってきますが、全体的に明るい仕上がりになるため白髪が目立つことはありません。
(感じ方には個人差がありますが)
赤味を一切感じさせないキレイなアッシュ系にしたい
これにはある程度条件があります。
- いつも明るめに白髪染めしている
- 白髪の量が多い
というアッシュに染める前の髪の状態が関係してきます。
キレイなアッシュを表現するには、ある程度の明るさがあるベースが大切になってきます。
白髪の量が黒髪より多ければキレイなアッシュに仕上げていきやすくなります。
いつも暗めの白髪染めをしていると、まずは明るくしていく施術が必要となってきます。
アッシュ系カラーは、定期的な白髪染めをしている大人女性にも人気のある仕上がりですが、暗い白髪染めを続けてきている方の場合、すぐにカラーチェンジするのは難しいと考えてください。
【白髪染めでもキレイにアッシュにしていく方法】
透明感抜群の明るいアッシュにしたい
こういったブリーチによるデザインカラーは「白髪染め」ということは忘れてヘアカラーすることが大切です。
白髪を染めるというよりかは、デザイン的に明るく仕上がって白髪が目立たなくなると考えてください。場所にもよりますが白髪は染まりません。
赤味を完全に無くして透明感のあるキレイな仕上がりにはなりますが、ダメージはヘアカラー施術において1番大きく、色持ちも悪くなります。
定期的な白髪染めをする方にはあまりオススメはできません。
白髪染めで赤っぽくなっている方は美容室で相談しましょう
白髪染めをしていて「気になる赤味」が出てしまっている方は、
- 使っている白髪染めヘアカラー剤の調合を変える
- 黒髪と白髪の量の見極め
この2つが必要となります。
この白髪染め施術には、美容室で相談してカラーチェンジしていくことが1番の近道です。
日本人の黒髪特有の赤味は、白髪染めの仕上がりでやわらかい質感を求めたときに邪魔な色素です。
この赤味を削ったり抑えたりする調合や施術工程は、お客様の髪の状態や白髪の量や生え方を確認してからでないと判断できません。
市販のヘアカラーで明るくして赤味を取っていこうとはせずに、まずは担当美容師に「赤味のないアッシュ系にしていきたい」と伝えてみましょう。
【定期的な白髪染めをする方へ】
白髪染めでも赤味を抑えて仕上げることはできます。
ただ、髪質や状態によってはダメージも出やすいため、日頃から髪と頭皮のケアも必ず意識してほしいと思います。